数年前、JOCS(日本キリスト教海外医療協力会)から、「海外での医療活動を始めようとする人のための勉強会」へ招かれた。1998年から10年間、派遣されていたパキスタンで、文化、習慣、言葉の違いに戸惑い続ける私は、援助する…
雪の朝
四歳から小学校二年まで新潟に住んでいた。父が勤めていた会社の社宅は校区のはずれにあり、表通りに出てバスに乗っていけば、学校まで、二つか三つ目だったが、「車の通りを横切るのは危ない」という母の考えによって、私は家の前から学…
亘理の七つの喜び(第6話)
新しい姉妹を迎えてちょうど6か月、共同体目標を振り返る時となりました。 姉妹的生活 カリスマを生きるために関わりの質を高める 突然、ぎっくり腰になった姉妹Aに対して、経験者姉妹Bは厳かに命じるのでした。「3日間トイレ以…
シチリア島から
イタリアのシチリア島にある共同体に住んで一年が過ぎました。仕事は、物質的貧しさで困窮している人々との関わりが主です。時折、夜10時過ぎにパトカーがやってきて、「この方を一晩泊めてください」と、私たちに女性を託していくこと…
自分に聴くには……〈固有の召命〉
内科医をしていると、毎日、たくさんの人に会う。 「咳が出て、熱があります」と訴える方は多いが、人によって期待していることは違うのである。 この薬を処方してくれればよい、と思っている方もおられれば、なぜこんな症状があるのか…
亘理の七つの喜び(第5話)
先日、熊本の姉から電話があった。地震は今も続き、震源地が熊本東部から中央区、西区に移動していて怖い、と言う。テレビを見てもほとんど報道されなくなっている中で、不気味に続く地震の中で人びとは今も生活している。 もう、2ヶ月…
どっしりと見守る
10年以上会っていないシスターの夢を見た。痩せて小柄であるが、声音がどっしり落ち着いており、眼光が鋭い方だ。 昨晩の彼女は目の前にいる女性を「一挙一動も見逃すまい」と見据えていた。私は彼女らのすぐ右に立ち、少し首をかしげ…
主の平和
郵便受けの後ろにあるトタン屋根にだら〜っと横たわるノラ(たぶん)猫が出没するようになった。手を伸ばせばすぐ捕まえられるくらいの距離だというのに、まったく動じることなく、かえってこちらが驚いて声を上げると、「なにか?」と言…
5月8日はゴーヤの日!
5月8日といえば、今年は「母の日」、聖母マリア様の月である5月に母の日があることは神様の計らいのように感じます。いつも私たちを支え守ってくださる母であるマリア様への感謝を込めて、すべてのお母様方、特に、こどものために悩み…
喜びのうちに誓願更新
私たち2人が、「あふれるほどにいただいた神様の愛に応えて、自分の生涯を捧げたい」と願い、FMMの門をたたいたのは、もう7年も前のことになりました。それから、予備志願期、志願期、修練期の歩みを経て、初誓願のお恵みをいただい…