マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

インドネシア

2004年の管区会議で私たちが決定した「女性と子供たちを助ける」という目標に従い、また同時に、社会における必要を分析した結果、一般の方々や私たちの学校の責任者と協力してケドゥング・バダック(Kedung Badak)地方の子供たちに特に注意を向けることにしました。

ケドゥング・バダックはボゴール(Bogor)の西5㎞のところに位置しています。最初、私たちはあらゆる年齢の子供たち40人の世話をすることから始めました。彼らはシリウング川(Ciliwung)の岸辺の丸太小屋に住んでいます。両親たちには仕事がなく、ある人たちは施しを貰うために歌をうたっています。最初に私たちが世話を始めたとき、栄養状態の悪い5歳以下の子供たちだけに特別の食物をあげていました。
子供たちの母親と一緒に、毎木曜日に栄養のある食物を準備しました。訪問を始めてしばらくすると、私たちには医療と教育という別の緊急課題も見えてきました。人々は無料診療所で、医療だけではなく、貧しい子供たちのために教育的な援助を受けることができます。学校に行けない子供たちはそこで読み書きと簡単な算数を習うのです。

2年半が過ぎ希望が芽生えてきました。自分たちが関わっていることの結果が見えると私たちはもっと熱心になります。子供たちのグループは大きくなり、しかも道徳、倫理の面で大きく成長しました。彼らは清潔で健康な生活と同時に、学ぶことと知識を得ることの大切さに気がついたのです。子供たちの熱心さをみて、私たちはその願いと希望を満たすため、勉強に必要なことを準備してあげたいと思いました。また母親たちが家事にも意欲を持てるように励ましました。家族的意識はその人たちだけでなく、シスターたちにも育ってきました。木曜日は彼らにとって希望の日となりました。

2007年2月に起こった思いがけない洪水で私たちは本当に悲しくなりました。長雨が続いたため、シリウング川が溢れ、私たちの所に来ていた6家族の家を含めて、川岸にあった丸太小屋は全部押し流されてしまいました。何も助けることはできませんでした。この状況を見て、ボゴールにある私たちの学校の生徒たちは心を動かされ、被害者たちのために何かをしなければならないと感じ始めました。先生たちや周りの人々と一緒に、私たちは食物や衣類など日常の必要を満たすように援助しています。神さまがこの善意を通して奇跡を行ってくださるようにと願っています。

今、このグループは全部で60人になっています。彼らは私たちが出かけていく木曜日のことを「希望の木曜日」と名付けています。その日は自分たちの問題に耳を傾けてくれる人々が訪ねてくる日、その必要が満たされ、重荷が軽くなる日なのです。彼らのために食物を準備することから始めたこの小さな活動が、現在では、無料の医療援助、また子供たちへの教育的援助(読み書き、算数)、能力があっても両親が学校の費用を払えない子供たちのために奨学金援助などを行っています。また、白血病で末期状態にある患者の治療、栄養補給の援助もしています。そしてまた、今は洪水の被害者たちのために家を建てるのを手伝っています。

希望!私たちの力は小さいものですが、この愛の行ないを通して、ケドゥング・バダックの子供たちとその家族に神の愛が豊かに注がれますように。