マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

ベトナム

新たな招き
FMMベトナム管区は、北部の巡礼センターでの新たな奉仕への招きを受けました

2000年10月に北部のナン・ディン省、アンロク町に聖ヘルミン修道院を創設し、裁縫センターと無料施療所をしてきましたが、宗教を取巻く状況は北部と南部で大きな差があり、宗教活動をすることの許可は政府からもらえないでいました。そして最近高速道路建設のために、修道院は立ち退かされてしまいました。保証金はほんのわずかですし、その上、私たちの名義で土地を新たに買うことは許されず、代りの修道院を建てる望みは持てないでいました。

そんな中、ベトナム教会350周年を祝う2010年に、私たちはタンホア教区のヨゼフ・グエン・チ・リン司教様から新たな招きを受けたのです。ヨゼフ司教様は、管区長館を訪れ、タンホア教区の実情を説明し、そこにFMMの修道院を創設してほしいと願われました。広いタンホア教区の約3分の2には教会がなく、司祭の数も少なく、修道者もほんのわずかしかいません。そして、司教様は、私たちFMMにベトナムの殉教者の一人聖レ・バオ・ティンの出身地であるチン・ハにある巡礼者センターに住んで、センターのお世話、教区の司牧活動、そして少数民族の人々との関わりをして欲しいという望みを持っておられました。

そこで、管区長とその評議会は、数人のシスターたちをその地域の視察に送ることにしました。ベトナム北部の高地には、モン族、タイ族、ムオン族など多くの少数民族が住んでいます。以前は、その地域にも多くの宣教者が入り、カトリック信者もたくさん生まれました。多くの教会が建てられましたが、共産軍によって、そのほとんどは破壊されてしまいました。今でも司祭がその地域に入って聖体祭儀をすることは許されていません。しかし、信仰を持ち続けている信徒は大勢いるのです。そして最近ではプロテスタントの宣教がさかんになり、プロテスタントに改宗する人々の数も増えています。そんな状況の中で、私たちFMMが巡礼センターに住み、そこから高地の先住民の人々への宣教を進めることは、総会の方向付けとも合致した、すばらしい招きだと思われました。また、タンホア教区の信者たちは、貧しい生活をしながらも、信仰をしっかりと守り、どんな犠牲を払っても、ミサへの出席を守っておられます。私たちは彼らの信仰への奉仕と同時に、社会活動を通して生活向上への奉仕もできるように思われ、そこには多くの活動の可能性があることがわかりました。

この新たな招きに応えるために必要な恵みを主が豊かにお与えくださいますように。皆様のお祈りをお願いいたします。

Maria Ngoc La, fmm