マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

先住民の人々と共に―コンゴ・ブラサビル

マリアの宣教者フランシスコ修道会が、聖霊会の神父様方から招へいされてコンゴで先住民の人々への福音宣教を始めてから、今年で57年になります。ピグミー族の人々と共に歩んだ道のりの分かち合いです。

 

創立者マリ・ド・ラ・パシオンは、まだキリストを知らない人々、それも最も弱い立場に追いやられている人々に、福音を伝えるためにその娘たちを世界中に派遣したいという夢を持っていました。私たちが、聖霊会の神父様たちから、コンゴ北部、赤道直下のジャングルの町、ケッソに招かれたとき、その夢は、その地に住む先住民の人々との出会いとなって実現しました。

その人々は「ピグミー」として知られ、森に住み、一般的に、背の低い人々です。彼らは森の中で木の実の収集や動物の狩猟をしながら、平和に、自然と共に暮らしていましたが、しばしば文明国から来た人々に搾取され、苛められていました。私たちは、ケッソから約5kmのンバルマという村を宣教の本拠地にすることに決めました。その森に多くの先住民の人々が暮らしていたからです。

 私たちは、医療と教育を通して、先住民の人々の全人的な成長を促し、徐々に現代社会に適応できるように同伴してきました。キリスト教に反対し、彼らの伝統的な生活様式を固守する人々の反対もありましたが、大部分の家族は、私たちが、彼らと共に歩み、彼らの善を考えていることを理解してくれました。

教皇フランシスコは次のように述べておられます。「福音宣教とは、教会が自分の枠を出て、社会の周辺に追いやられた人々のもとに出かけていくことです。周辺というのは、単に地理的な意味だけではなく、存在としての意味でもあります。罪、悲しみ、不正、無知、宗教の軽蔑など、あらゆる形の悲惨が内在するところなのです。」 私たちは、貧しい人の中でも最も貧しい人のもとへ行き、福音的価値観を教え、キリストを証ししているのです。

私たちのメッセージは、学校の子どもたちばかりでなく、先生たちにも向けられています。また家族のもとには、私たちの方から出かけて行き、彼らの言葉であるリンガラ語で話しています。またカテキズムでは、その地方の人々がわかる表現を使うように気をつけています。

 この地のミッションでは、自分たちだけではなく、ユニセフなどの諸団体と共に活動し、栄養不良の子どもの改善や地域医療の向上を目指しています。また、子どもや先生たちの知的好奇心を呼び起こすために、図書館を開きました。

健衛生の分野では、学校の敷地内に、無料施療所を開設し、簡単な治療を施すことができるようになりました。しかし、子どもの栄養不良とマラリアは、今でも大きな懸念になっており、学校給食を始めました。これで、子どもたちの栄養状態が改善されることを願っています。

 このように先住民の人々と共に歩み、人々に、真実、ゆるし、和解などのキリスト教的価値観を伝え、共によりよい将来を作り上げられたらと願っています。

 Maria Jimenez, fmm