マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

平和学習

平和学習のため、沖縄の伊江島(いえじま)に来ています。 日本で唯一、地上戦が繰り広げられた土地、沖縄。私たちが歩いているこの長閑な野原や海沿いの道の影からぬおっと敵軍が出てきて、兵隊ではない普通の村人が数多く殺されたのかと思うと、戦慄を覚えます。日本軍の命令で、洞窟内で自決した婦女子も多数いらしたそうです。ここでの滞在中、こういったお話をいろいろ伺ったり、資料館を訪ねたりしていますが、今日の午後は、晴れ渡ったエメラルド色の海へ行き、貝拾いをしてきました。11月なのに、水着で歩くと肩が日照りでジリジリするほどの暑さです。海水で摩耗した白いサンゴ礁の細かい破片が貝より多く散らばっています。 私の目には、それらのサンゴが人骨ででもあるかのように映りました。そして海はすべてを一緒くたにして記憶の彼方へさらって行ってしまいます。寄せては返す波だけが、「この歴史を忘れないで」と、繰り返し、繰り返し、見る者に囁きかけるかのようでした。