マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

辺境の地へ ― ニジェール

教皇フランシスコの呼びかけに応えて、辺境の地でのミッションに赴いたニジェールのシスターたちの分かち合いです。

 

教皇フランシスコは、修道会の長上たちに、言われました。「今日、神は私たちに、今自分の住んでいる巣から離れるように求めておられます。『全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい』(マルコ16:15)というイエスの最後のことばは、私たちが、社会的にも地理的にも周辺に追いやられた人々のもとへ赴くことで、実現することができるでしょう。イエスは誰のもとにも行かれました。私は周辺に追いやられた人々のもとへ行くことを恐れてはいません。恐れずに誰のもとにも行ってください。」

教皇フランシスコのこの言葉に促されて、私たちは、ミッションについてふりかえりました。そして、管区会議と8日間の黙想のテーマを「フランシスカンとして辺境の地でのミッションを生きる」に決め、管区のシスター全員が、この問題について考え、祈り、話しあい、私たちを取り巻く環境に目を向けてみました。一歩外に出れば、危険に脅かされ、貧しさに苦しむ人々が大勢いるのです。実際、私たちの管区に属する3か国(ブルキナファッソ、ニジェール、トーゴ)の中で、イスラムや他の勢力からの攻撃を受けていないのは、トーゴだけです。そして、私たちの3つの国は、世界の最も貧しい25の国の中に入っています。そこで、次の疑問がわき上がってきました。「『宣教者として、救いの福音を告げるために、どこにでも、また誰のところにでも行く覚悟ですが、キリストがまだ告げられていない人々のもとへ、教会があまりないところへ、中でも最も貧しい人々のところへ優先的に派遣されます。』という会憲の言葉を持つ私たちは、この地の人々の貧しさや危険を、具体的に分かち合っているのでしょうか。」

7月に開かれた管区会議で、この問題への一つの応えが提案されました。それはニジェールの辺境の地に共同体を創立することです。その地域は、気候も厳しく、無原罪のシスターたちの後に聖アウグスチノ会のシスターたちがやって来ましたが、7年前に聖アウグスチノ会のシスターたちも引き上げてしまいました。その時、教区の司教様から「未開の奥地で、とても貧しく厳しい気候の中でのミッションができるのは、FMMしかないと思います。他の修道会が続けられなかった所に来るのは、あなた方のカリスマではないのですか。」と創立を求められたことがありました。

その招きに応え、その地域に私たちが入っていったのは、2013年のことでした。そこから30kmくらい離れたマラコンディ共同体からシスターたちが時折訪ねて行きました。そこの住民たちの多くは、精霊信仰かイスラム教徒でとても貧しく、時が経つにつれて、彼らの必要に応えていくことは、私たちのカリスマに合ったことだと言う確信が生まれてきました。しかし、その時は、そこに派遣するシスターを確保できず、司教様の招きに応えることはできませんでした。

2016年9月8日、神さまの準備した時がやって来ました。7年前から住む人のなかった家に、FMMの共同体が創立されました。この喜びの日に、ぬかるみに車輪を取られ、夜の8時まで立ち往生しながらも、創立者となるシスターたちや、ブルキナファッソやトーゴからのシスターたちが、新共同体の祝別式のためにやってきました。また村のわずかながらの信者たちも全員集まってきました。私たちの小さな家は、7年前まで聖アウグスチノ会のシスターたちが住んでいた小さな家で、私たちのために教区が修理してくださいました。

祝別式は、午前10時に、共同体の聖堂前から始まりました。私たちは、家の隅々まで聖水で祝福する神父様の後について行きました。その後、このミッションの保護の聖人となる聖クララの御像の祝別が行われました。家の祝別の後、集まった人々と一緒に、行列して教会に向かいました。教会では、いくつかのシンボルで祈りが捧げられました。家族に花嫁を迎えるシンボルである伝統的な腰布、大切なお客さんをもてなすシンボルである水の入ったヒョウタン、そして喜び、実り、幸福のシンボルである穀物を、シスターたちが村人に紹介しました。最後に、神父様が、この喜びの式にあずかった7人のシスターたちの「7」という数字について話しました。「7年前、シスターたちはここに来るようにと誘われました。建設中の聖堂には、7つの出入り口、7つの窓があります。また7は、聖霊の7つの賜物、7つの秘跡を思い起こさせる完全数です。」しかし、この貧しい地域で福音宣教を始める私たちにとっては、7は、キリストを知らせるために殉教した中国の7人の殉教者を思い起こさせる数字です。そして中国の殉教者から116年たった今、教皇フランシスコは、まだ福音の光が届いていない、辺境の地があることを気づかせてくださいました。

ブルキナファッソ、ニジェール、トーゴのFMMシスターたちは、教皇の招きを聞き、辺境の地でミッションを始めることになりました。神さまが、このミッションを守り、祝福してくださいますように!

Jeannette Some, Veronique Diouf, fmm