マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

シスターTのこと

シスターTが天に召されて早や3か月が過ぎようとしている。今 どうされているのだろうか。シスターが残されたノートの端に書かれていたロバの話が大好きになり、時々思い出す。

「私はロバが好きです。ヨゼフ様に導かれてナザレトから、ベトレヘム、エジプトへとイエス様とマリアさまを背中に乗せて黙々と歩いていくロバが大好きです。私も沈黙の中に、人々のところにイエス様を運んでいくロバになりたい。ロバは時に背中のイエス様のことを忘れて、周りの障害物を恐れ、また来た道を振り返って立ち止まり、なかなか動こうとしない。しびれを切らしたイエス様はロバの背中を下りて一人で歩いていく。それに気づいたロバは後を追いかけて行き、また、イエス様を背中に乗せていく。いつまでもどこまでもイエスさまを運び続けるロバでありたい。」

年を重ね、晩年は病気も進んで、神様に呼ばれる日もそう遠くないといつも準備しておられたようなシスターだったが、穏やかで、静かで、ゆっくり廊下で立ち止まって 皆が先に行くのを待ってくださっていた。イエス様について行きたい、イエス様を人々のところに運びたい、その強い熱い思いが彼女の病気の苦しみを耐える力だったのだろうなと思う。

Sr Tシスターは確かにイエス様を皆のところに運んでおられましたよ。シスターのことを私たちは忘れていませんよ。 シスターは枝の主日の前日にそれは美しい死を迎えられましたね。まるで天の国へのエルザレムの凱旋のためにイエス様を背に乗せようと 急いで逝かれたように思えました。忠実なロバのシスターをイエス様は待ってくださっていたのですね。シスターに会えて、一緒に暮らせてほんとによかった。

(K.K)