都会の住宅街の真ん中にある修道院は、まわりをぐるりと家々に囲まれて、電話やドアのチャイムが我が家なのかお隣なのかわからない近さ。特に窓を開ける季節となれば、お嬢さんのピアノの練習や、おばあちゃんの電話の話声が祈りのBGMになることもしばしば。
ということはもちろん、私たちのゴキブリ発見時の叫び声から大きな笑い声、毎日の「教会の祈り」の歌声まで、隣人の皆様の耳に否応なく届いているということ…。
私たちの聖体礼拝と晩の祈りの時間、
いつも決まって一番近いお隣さんから聞こえてくる音があります。
「チ〜ン、チ〜ン」と、耳に心地よく響くその音は、
きっとお仏壇に向かっておばあちゃん、おじいちゃんがお祈りしているのでしょう。
手を合わせている先にあるお方の姿は違っても、
ともに祈りの時間を過ごしていることに気づかせてくれる、
嬉しい小さな合図の音に今日も耳を澄ませています。 （Sr.K）
聖書の言葉
「どんな願いごとであれ あなたがたのうち二人が地上で心をひとつにして
祈り求めるなら わたしの天の父はそれをかなえてくださる。」 （マタイ １８：１９）