マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

希望を持てない人々に希望を

インドネシア管区では、2007年以来、移住者と共に歩むことを管区の優先課題として選び、特に女性たちに寄り添ってきました。

私たちは移住者たち、特に疎外され苦しんでいる女性たちと共に歩んできました。

暴力や人身取引の被害者のために、私たちの管区は、約1年前に、「セカー・アシン(小さき花)」シェルターをインドネシア正義と平和協議会の協力を得て、開所しました。シェルターでは、他の修道会のシスターたちや信徒たちと一緒に、利用者が自立できるように支援しています。このためにオーストラリア管区のシスターロザリンが手伝ってくださったことを心から感謝しています。
 
シェルター利用者たちは、2週間に1回、グループで、あるいは個人的に、心理学者のカウンセリングを受ける機会があります。またシェルターには「お母さん」がいて、シスターたちがいないときに、利用者たちのお世話をしてくれます。アリスは、シェルターですっかり落ち着き、最近では、良い給料の仕事も見つかりました。彼女は、次のように話しています。「もしこのシェルターで受けた支援がなかったら今頃、どこで何をしていたでしょうか。神様がシスターのもとに導いてくださり、今生かされているのです。」多くの女性たちが、私たちのところを通って、家族の元に帰っていきました。私たちは、彼女たちの家族の近くにいる司祭や修道者たちと連絡を取り、彼女たちと家族を見守ってくださるようにお願いしています。

 シェルターは同伴と傾聴の場です。私たちができることは、共にいることだけということががよくあります。それで、私たちが力を入れていることは、彼女たちの話をよく聴き、彼女たちが自分自身を愛するように手伝うことです。シェルターのプログラムには、ゲームや娯楽、そして聖書の勉強会やお祈りもあります。彼女たちは、それらのプログラムを通して、少しずつ、過去の否定的な体験を信仰のうちに受け入れ、将来に向かって歩み出せるようになってきます。そうすると、もう自分の体験を恥と感じることもなく、人々と分かち合えるようになるようです。命を取り戻し、希望のうちに将来の生活に向かって歩き続ける勇気が出てくるのです。そして、その過程の中で、彼女たちは自分の人生の中に神を見出し、まだ苦しんでいる仲間に、神を伝えるように変えられていくのです。

Sr. Susanti Maria Magdalena Resmi, fmm