先日、私たちは福島県南相馬市を訪ね、仮設住宅に近い福幸商店街のラーメン屋さんに入りました。昼時で店は混んでおり、カウンターしか席が空いていませんでした。やっとラーメンが来て、食べようかな、と思った時に、左から男の子の声がしました。「水がはねて気持ち悪くないですか?」と。私たちの席のすぐ左隣に水道があり、手を洗えるようになっていました。彼は、私たちのところに自分が手を洗う水が飛ばないように、きっと水を細くして、気をつかいながら、声をかけてくれたのだろうと思い、うれしくなりました。見あげると、背の高い笑顔の可愛い中学生くらいの子でした。自分よりずっと上の年代の、知らないおばさんに、自然な声かけができる少年をとても可愛く思いました。きっと大きな家族の中で、年代の異なる人たちが声を掛け合って生きてきたのだろうと、彼の日常生活を想像しました。こんな良い子がきっとその辺にもたくさんいるのでしょう。被災して家族が分断された人々がたくさんいると聞きます。早く復興して、家族が世代を超えてまた睦みあえるようになりますように。私にできることは小さくても、心 を寄せ続けて行きたいと思いました。
坊や、心遣いをありがとう!
- いのちの水
- Sr.マリア・マグダレナ 亀嶋ひろみの巻