トップ会報『きずな』72号目次 > 本文
KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『AMOR〜新しい時の始まり』

聖パウロ女子修道会 井村 勝子
 じりじり照りつける太陽と蝉の声の中で、8月1日〜12日、日本女子修道会総長管区長会が主催する「AMOR広島2000」が広島で開かれました。
 日本での開催が決まった時から、3年にわたって準備して来ました。
 「AMOR(アモール)」とは、「アジア・太平洋修道女の集い」の頭文字をとって命名されたものですが、この集いの発端となったのは、一杯のコーヒーからであったと言います。1970年、アジア司教協議会(FABC)が結成され、その会議が香港で開かれた折、香港に居た3、4人のシスターたちがコーヒーを飲みながら、アジアの司教達が連帯するという新しい動きのことを話題にしました。そこでアジアの修道女も連帯する集まりを持ちたいという話になり、次々に仲間に声をかけることから始めて、2年後には実現に至ったのです。
 1972年、「福音宣教、発展、若者と共に行う使徒活動における修道者の役割」のテーマで、香港で開いたのが、第1回アモールでした。その時のシスター達の直観力、実行力と熱意には驚かされます。
 こうして、アジア・太平洋地域の女性の問題・課題をお互いに語り合い、話し合う場が生まれたのです。
 以来、回を重ねて、今年は、第12回を迎えました。
 今回は、「和解の恵みを求めるアジア・太平洋地域の女性たち−いのちを育むために」のテーマで開催されました。
 21世紀を迎える人類に「和解」を呼びかける大聖年の中で、しかも人類史上初めて原子爆弾を投下されたヒロシマで、このテーマの下に集うことの意義は大きなものでした。「和解」は戦争や経済侵略、環境破壊など犯した過ちに対して謝罪するだけでなく、その根本にまで遡って、支配し、支配される関係や競争主義から解放されない限り、真の「和解」に至ることにはならないのではないか。準備を重ねる中で、それに気付かされました。
 この「和解」を神との、自分自身との、人との、自然との…傷ついたあらゆるかかわりにまで拡げていくことを願わずにはいられません。
 一杯のコーヒーからの語らいが、今日に至る「アモール」を生んだように、再びあの熱意に鼓舞されて、新しい世紀に向って、かかわりの回復と、いのちを育むための希望となるように努めたいものです。今、まさに、その小さな一歩を印したのです。






『第73回役員会報告』

 「会」の第73回役員会が、2000年6月13日(火)午後6時から、東京・四谷のイエズス会SJハウス会議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
1.1999年度決算報告(別項)
2.2000年度予算審議
3.「きずな」71号について=本号は16ページで編集出来た。ハイチのSr武島からの手紙に描かれていたイラストを誌上に使用して効果的だったと編集者から報告があった。
4.「きずな」72号について=(1)巻頭言は今夏ブラジル訪問の梅村昌弘横浜司教に、もし、都合悪い場合はSr井村(女子パウロ会管区長)に依頼する。(2)原稿締切りは8月10日、発行日は9月1日、発送作業は9月6日梶B
5.援助審議(別項)
6.その他=
(1)会長ローシャイタ神父から「日本カトリック移住協議会」は、2001年3月で解散の予定である」との報告があり、その下部組織である「会」の今後の位置づけや活動について、今後、関係者の意見を聞き、時間をかけて検討していくことになった。
(2)「会」の紹介パンフレット作成は、「会」の位置づけがはっきりしてから再検討することになった。
(3)次回役員会は、2000年9月12日(火)午後6時から東京四谷のイエズス会SJハウス会議室で開催(予定)。






『1999年度活動報告』

1.会議 役員会を年4回開催(99年6月8日、9月7日、12月14日、2000年3月7日)
2.諸活動
(1)広報活動
 現地からのレポートなどを掲載した広報誌“きずな”を年4回発行し(6、9、12、3月)国内会員と海外で働く宣教者に送付し、相互の理解と交流を深める役割を果たした
(2)援助活動
 世界各地の宣教者からの援助申請を検討し、緊急性、必要性の高いものから有効的な援助を行った。
(3)その他
 海外の宣教者と国内会員の相互理解と交流のためクリスマスカードを送り、手紙の交換などを行った。
3.評 価
 ☆「会」の創設から18年が経過したこの会の設立趣旨に思いを馳せて、この活動は現地の宣教者達と連帯して行なう共同作業であることを認識して、国内会員を増やしていく。そのために、コンパクトな案内パンフレット(振替用紙付)を作成することになった。
 ☆援助活動、広報誌“きずな”によって海外の宣教者と国内会員との連帯感や、交流も益々広がって来ている。また、発送作業をするボランティアも徐々に増え、定着してきている。
 ☆役員の一人として尽力して下さった、海野みずほさんが帰天した。






『援助決定』

 (2000年6月1日現在)
地域援助申請者援助概要援助額
フィリピンSr松田翠(御受難修道女会)布教用コピー機1台360,830円(3,200ドル)
インドネシアSr浜谷真佐美(聖母カテキスタ会)☆教区神学生ら13名に対する学費援助1,200ドル、☆愛の園学園(重症精神障害児園)への援助1,400ドル290,420円(2,600ドル)
ブルキナファソSr黒田小夜子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)栄養失調児センターのための農業用トラック購入費の一部1,300,000円(3回分割の最終回)
インドネシアSr中野かほる(御聖体の宣教クララ修道会)フローレス島の診療所のための車購入費の一部1,000,000円
合計 2,951,250円






『1999年度会計報告』

入金
会費・寄附金11,718,690
預け金利子59,606
前年度剰余金3,170,636
合計14,948,932
出金
援助金10,322,632
運営経費2,553,250
次期剰余金2,073,050
14,948,932
以上






『援助総額は、1000万円超に』

〜1999年度〜
 「会」の1999年度の海外宣教地への援助総額は、17件、10,323,000円と、1000万円を超えた。援助の対象となった国・地域はコンゴ、ブルキナファソ、ドイツ、インド、パラグアイ、ボリビア、ペルー、エチオピア、アルゼンチン、チリ、日本、インドネシアなどの12カ国(地域)。対象となった援助の内容は、コピー機購入費、奨学金、医療器具、僻地への遠距離宣教、司牧用車購入費用の一部、診療所用薬剤費、生活困窮子女への援助金等々である。