『絆(きずな)十年』海外宣教者を支援する会 会員八巻信生
七〇〇〇万〜のっけから数字で恐縮だが、「会」からこの10年間に世界各地の宣教地へ送られた「支援」(物資も含む)の総額である。もちろん、人々の善意を数字で、金銭で量ることは出来ないが、会員をはじめ、多くの善意の方々から寄せられた寄金によって、七〇〇〇万円強の支援をすることが出来たのは事実である。
豊焼の国、億ション(一億円以上のマンション)の林立する日本では、七〇〇〇万円程度では、あまり豪華とは云えない3LDK程度のマンション一戸分の金額である。しかし、海外の宣教地では、これらの資金によって、何よりも多くの人々の尊い命が救われ、学校が建ち、奨学資金に、医療設備(施設)の整備、飢餓が満たされ渇きがとまり、車によって辺境、奥地へまで宣教の足がのび、荒野にキリストの栄光が証しされたのである。 それを思うとき、「会」を通じて全世界へ送られた、人々の善意は、まさに、 地球の重さを遥かに越えるものであるとも云える。 「会」は一九八二年(昭和五十七年)九月一日、創立された。 設立のための発起人会に参集したのは僅か13人、それが今日では法人、個人会員一、八四二人(92・3・1現在)を擁するまでに成長した。宣教地、宣教者たち、人々との絆″となる機関紙「きずな」第1号が発刊されたのが同年11月29日。以来きずな≠ヘ人々との連帯の絆を絆(ほだ)しつづけている。 標題の下のシンボル・マークの組み合わされた3本の手は、黄色黒、白で、全世界の人種を表わし、丸い地球の上で、人々が手を取り合って行く姿を象徴した当時の新進G・デザイナー伊藤照雄氏の作である。 一九八八年(昭和63年)二月十六日朝、発足以来「会」の発展に尽された服部比左治会長(外務省・大便75才)急逝のショックなお残る翌年12月31日、新しい年を迎えようとする10分前に、フィリピンの地で、激海野常世撃ェ天に召された。激海野は比・日系人子弟の教育に情熱を注ぎ、とくに日本の敗戦後、迫害を避けて山岳地帯に逃げこんだ日系移民の二、三世を探し出し、高等教育を施し、三百人にも及ぶ医師、弁護士らを育て、フィリピン宣教の魁(さきがけ)であった。このお二人の死は、大きな衝撃を与えたが、その、悲しみの渕に潜れることなく、会員たちは文字どおり、連帯の固いきずな≠ノ結ばれて、陥ったかもしれぬ難局を乗り切った。 10年から次の10年へ〜さらに新しい絆”の輪は拡がろうとしている。 『第39回役員会報告』「会」の第39回役員会が91年12月19日(木)午後6時から中央協議会々議室で開かれ、次の案件を審議・決定した。
『援助決定』(1991.12.19決定分)地区 援助要請者 援助内容 金額 摘要 パラグアイ Sr伊藤伎余子(聖霊奉侍布教修道女会) 幼稚園児教育用コピー機1台 750,000円 1回 タンザニア Sr角たか子(カノッサ修道女会) 宣教用車ガソリン代、教材費他 700,000円 1回 ボリビアミ Sr星野美智子(礼拝会) ストリート・チルドレン援助費、食費 6,000ドル(840,000円) 3回(計18,000ドル)*1ドル=140円で計算 チャド Sr永瀬小夜子(ショファイユの幼きイエズス修道会) 身障者送迎用ワゴン車購入代 1,000,000円 1回 ブラジル、パラグアイボリビア各地 雄鶏社寄贈子供の絵本各地事務局1セット39冊100セット分の各地への送料(26個分) 217,350円 1回 計 (約)3,507,350円 『新派遣宣教者』(敬称略)カトリック信徒宣教者会 塚本涼子 〜フィリピンへ〜 |