『十歳を迎えて』(財)日本カトリック移住協議会理事長・那覇司教石神忠真郎
「海外宣教者を支援する会」が「ここ」の声をあげてから、はや、十年を迎えております。会員の皆さんに、先づ申し上げたいことは「皆さん、よくやってくださいましたピの一言につきるかと思います。本当にひと握りの同志の方から始めて、今では千五百を超す協力者にふくれあがりました。これも中心になっておられる役員の方方の絶ゆまぬ努力のおかげでございます。何事も始めることは容易ではありませんが、続けることはなお困難なことです。時には、投げ出したいこともあったかと思いますが、小さな支援にも喜ぶ宣教者や、彼等をとりまく現地の」万々に励まされて今日に至ったものと思います。「この小さな者の一人にしたことは、わたしにしたことです」との主・キリスト様のみことばはいつも皆さまの支えとなったのではないでしょうか。 また、「きずな」の小さな呼びかけに快よく応じて下さった全国の協力者の皆さまにも心からお礼申しあげたいと思います。おかげさまで、「きずな」の号ごとに、お知らせしておりますように、小さいながら宣教者の本当に必要としているお助けができているのです。願わくは天のおん父が皆さまをお忘れなりませんように。 「はっきり言っておく。わたしの弟子だと言う理由で、この小さな者の一人に冷たい水一杯でも飲ませてくれる人は、必ずその報いを受けるピ(マタイによる福音一〇の四二)今をときめく史上最年少力士貴花田の親方、お父さんの貴ノ花が、何年か前に、こん身の力をこめて横綱大鵬を寄り切った土俵で、ピきコンと相手に頭を下げた光景をテレビで観戦したことがある。日頃、けいこを付けてもらった先輩力士に本番で勝った時、若手の力士は「ゴッチャンですJとお礼をすると言う。あの時、貴ノ花がそい肌う言ったかどうか聞く由もないが、実にすがすがしい姿であった。 現在、日本の教会は三百六十名の男女宣教者を海外に派遣しております。正に、先輩外人宣教者たちに、「ゴッチャンです」と申しあげたい気分です。「ここまで成長させていただいて有難う」と。 一方、考えてみると、これら日本に派遣された宣教者たちの母国では、いつも彼等のために祈り、彼等を物心両面から後援している親、兄弟、その他沢山の友人、信者さんたちがおられるのです。日本の教会が今日あるのは、正に身をていして日本に来られた宣教者等と彼等の母国の後援者たちのおかげであると言っても過言ではありません。今、日本の教会はまがりなりにも、そのご恩返しをしているところです。わが「支援する会」でも、おくれを取らないよう、お互いにこれからも励みたいものです。 『第37回役員会報告』「会」の第37回役且会が、91年6月20日(木)午後6時から中央協議会々議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
『1990年度収支決算報告』(1991年3月31日現在・単位円)収入の部
支出の部
次年度繰越金 11,266,364 『一九九〇年度活動報告』
『援助決定』(1991.6・20決定分)
計 1,180,000円(1弗140円で換算) 『90年度「会」の援助一五〇〇万円に』「会」は、宣教現地からの要請によって、広く、援助活動を行なっているが、90年度中の援助総額は、一四、九八三、一四九円に達した。援助地域は14地域(ブラジル、パラグアイ、チャド、アルジきリア、モロッコ、ペルー、ガーナ、プルキナ・ファソ、ジンバブエ、インドネシア、台湾、ミクロネシア連邦、ウガンダ、日本(信徒宣教者派遣費の一部)に及んでいる。それぞれ異なった環境のため、援助内容も多岐にわたっているが、その内訳は、共同体センター活動のため、中村記念館用陳列柚、木工教材、コピー機、教員養成費、幼稚園建設費の一部負担、タイプライター、編物鹿、子供センター、児童センターの改築、宣教用事購入費の一部、学校増築、ビデオ・テープ帝人、雨水貯蔵タンク設置費、書籍、中古衣料と送料、聖書、祈帝香代、信徒宣教者派遣費の一部などである。(91年3月31日現在) |