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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES






『古い自分を捨て、新しい地に生きる』

マリアの宣教者フランシスコ修道会 高木良子
 コンゴ人民共和国に派遣されて六年になります。
 この国に生きながら、苦しみ、喜びを体験して、日本で働く宣教者の苦しみ、喜びを、はじめて、理解するようになりました。
 日本を離れ、言葉の違う人々と生活を共にして、多くの困難にぶつかりました。それは、それぞれの国民が持つ文化の相違であり、そして、それはあらゆる日常生活に及んでいるものです。
 多くの宣教者が日本に送られるその当時は、派遣されるその国の言葉を、前もって学ぶことはありませんでした。
 日本に来た宣教者たちは、人々の中で体得していきました。
 まったく異なる文化へ入って行く宣教者の達しさを、今にして、身に泌みます。言葉は日常の生活や出来事に、重賓な役目を果します。それだけに、善意であっても、誤解を生じることが度々あるものです。言葉一つをとってもそうなのです。
 宣教者たちは、いかに多くの誤解のうちに、日々を過して行ったかを想像します。しかし、反面、誤解が解け、理解が得られた時、そこには、苦しみから幾倍かの大きな喜びをかち得ます。それは、まさに死からの復活の喜びと思います。
 自国を離れ、異なる新しい地に入れば、古い自分を捨て、新しいその地の生き方に従わなければなりません。今までの生き方を変えるのは苦しいのです。しかし、その生き方から位置を変え、新しい地に立って歩きはじめると、自分自身が自由になり、その地の人々と喜んで生きていけるのです。
 私の宣教地まで送って下さる「きずな」を通して、日本の教会が外に向って動いているのを見ます。自分自身を、仕事を、物資を、鋸また、献身することで、宣教に参加している多くの兄弟姉妹がいます。日本の教会は、自分の足で立ち、世界の教会へと歩きはじめました。日本には、まだ、外国からの宣教者が必要でしょう。だから、日本からの宣教者を外国へ派遣するのは苦しいのです。
 ドイツの教会は、教会が世界的であり、普遍であることを教えてくれました。ドイツは、彼ら自身の教会発展のため、宣教者が必要だったのです。しかし、彼らは、自分の国より他の国のために、宣教者を送りました。
 カトリック信者の少ない日本は、本当に宣教者を必要としています。しかし、また、日本から他の国へ送ることも必要なのではないでしょうか。
 日本の教会が、世界へと前進していくためにも……。






『第二十五回役員会報告』

 第二十五回役員会が、昭和六十三年七月十二日(火)午後六時から、中央協議会会議室で開かれ、次の案件について審議、決定した。
(I)昭和62年度決算報告(別稿)承認
(II)昭和62年度事業報告(別稿)承認
(III)昭和63年度予算案審議決定
(IV)昭和63年度事業計画審議
 事業内容は、ほゞ62年度と同じであるが、講演会について、平素、帰国宣教者の現地の話を、なかなか聞けない教会などと連絡し、話を聞く会の開催などを応援する。また、帰国宣教者との時間的調整がつかないこともあるので、テープに録音して、貸出すのもよいのではないかという意見も出され、具体的に作業をすすめることになった。
(V)「きずな」について。
  • 23号(6月1日発行)は写真も多く挿入され、内容も充実して来たという感想が述べられた。
  • 「援助要請」についての案内は、周知するために、何回か続けて掲載する。
  • 「きずな」24号=9月1日発行予定・部数四千部・巻頭言はSr高木に依頼 (VI)「援助審議」(別稿)
    (VII)「新会長」人事
  • 服部会長逝去により空席となっていた「会」の第二代会長には現事務局長のV・ローシャイタ神父に当分兼務して頂くことになった。
  • 役員補充=太田正己氏(現・日本カトリック移住協議会理事、牧野俊堆、ゆみ子夫妻について、ローシャイタ神父様から、役員への推薦が提議され、交渉を同師に一任。






『一九八七年度(昭和六二年)事業報告』

 (1)広報活動=広報誌「きずな」を年四回発行(六月、九月、十二月、三月・各三五〇〇部)
 (2)会議=海外宣教者を支援する会役員会・五回(四月三日、七月九日、十月十九日、十二月十六日、三月二十四日)
 (3)講演会=○六月二十六日、双葉同窓会館にて、海外より帰国中の数名の宣教者及び信徒宣教者から、現地の実情、活動状況を聞く。
 ○十二月二日、中央協議会会議室で、Sr渋谷からインドネシアの現状を聞く。
 (4)援助=援助金、援助品◎要理の本その他(ブラジル)○祈りの友20冊(ペルー)○小型発電機購入の一部(ガーナー)○奨学金(インドネシア)○宣教用自動車購入代の一部(パラグアイ)○日本語学習のため来日中の宣教者の費用一年分(ブラジル)○ミサ典書、新約聖書・送料(アルゼンチン)○典札聖歌集・要理本・送料(アメリカ)○カトリック聖歌集、ミサの本・送料(ブラジル)○編物機一台、教材(アルジェリア)○自動車購入代の一部(パラグアイ)○新聖書詳解・送料(カナダ)○信徒宣教者派遣費の一部(信徒宣教者会)○日本語研修で来日中の宣教者の費用の一部(六カ月分)(ブラジル)○宣教用自動車購入費の一部(ウガンダ)○給食費用(ウガンダ)○祈りの本と送料(ペルー)○診療所建設費の一部(ペルー)○中古衣料のための送料(ブラジル)○現地での教師資格取待のための費用(モロッコ)○日本語各種書籍(ボリビア)○公会議文書のまとめと他書籍・送料ブラジルPANIB ○中古衣料送料(フィリピン、ブラジル)○現地教会の修理代及びガソリン代(ボリビア)○幼稚園設備、備品・給食費・教材費(チャド)○奨学金十四名分(インドネシア)○生徒の月謝と参考書代(パラグアイ)
 (5)活動による援助
 ○クリスマスカードを会員有志で分担し、海外で働く宣教者全員に送付。
 ○フィリピンの手作り衣類、テーブルクロス、タオル等を教会のバザーや売店で販売。
 ○中古衣料の分類と援助のための荷作り。

 会員数
法人会員 一〇五九
賛助会員   九六
個人会員  三一五
(一九八八・三・三一現在)






『1987年度収支決算報告』

 1988年3月31日現在(単位・円)

収入の部
会員寄付金11,075,300
預金利子794,482
前年度繰越金18,928,056
30,797,838


援助35件(次年度繰越金)
支出の部
援助費9,677,206援助35件
運営経費内訳(広報「きずな」4回発行・送料・印刷代・通信費、ほか)2,074,351
研修費(現地宣教者による講演会等)137,600
援助金積立2,000,000
13,889,157
残高16,908,681次年度繰越金






『援助内容』

(63・7.12決定分)
援助地援助申請者援助内容援助金額備考
ブラジル吉田宰治神父宣教用車修理代、図書、衣料、送料220,7001回
ブラジルSr阿部島伸子(アシジの聖フランシスコ宣教修道女会)国語教科書の送料8,6401回
コロンビアSr郷司道子(汚れなきマリア修道会)現地児童への文房具発送費138,0001回
シエラレオーネSr鶴田順子(御聖体の宣教クララ修道会)カトリック病院の薬、医療機材購入、設備費土曜学校への援助800,000200.0001回
ブラジル山本伊佐男神父日本語学習、学費、本代等597・000
ブラジル武内重雄神父日本人のための教会の建設費の一部1・000・000
1回
パラグアイSr宮入きわ子(聖霊奉侍布教修道女会)診療所へ来診の患者の衣類等の送料20,7001回
援助額計2,860,840