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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

きずな


《巻頭言》

《主のご降誕 2010年》

コンベンツアル聖フランシスコ修道会 司祭 松尾 繁司
  今年は、一人の宣教者を追憶しながらクリスマスを迎えています。
  私たちの国、日本には聖フランシスコ・ザビエル以来、多くの宣教者たちが色々な国から来て働いてくださいました。現在も働いていらっしゃいます。そして、いまでは多くの日本人が海外に宣教に出かけて福音宣教に奉仕していますが、すべての人が宣教地に在って最初に遭遇する困難は言語です。何も分らからず赤ン坊同然に成ります。でも、それは宣教者にとって大切な体験になります。ゼロからの出発はイエスが貧しく、幼子として救いの御業を始められた同じ出発点に立たせてくれるからです。私たちは恵みを必要とする存在なのです。そして、沢山の方々の力に支えられながら成長して行きます。
  自分の一生涯を日本のために尽くされたイエス会のヴェンデリーノ神父様は、その貴重な体験を分かちあってくださいました。いつか「きずな」の中で自分の故郷ブラジルを訪問して日本へ帰る寸前に是非会いたいという電話に応じて、その人に会った記事があります。
  「新聞で貴方が帰っている事を知って是非お目にかかって伝えたいことがありました。間に合って本当によかった。神父様は覚えていらっしゃらないかも知れませんが、神父様が日本に出発前日、アンシェタで壮行会が開かれました。その時、私は神父様と日本のために毎晩祈ります、と約束しました。50年間、忙しい時や、病気の時もありましたが、祈りを欠かしたことはありませんでした。『めでたし』の一回しか出来ないこともありましたが、神父様と日本のために祈りました。これからも私の命の有る限り祈り続けます。それを申しあげたかったのです」と。私はこの話を聞いて感動しましたと、ヴェンデリーノ神父様は仰っています。宣教者の方々は、自分の故郷日本に帰ってくるとき、同じような大きな支えを感じるのではないでしょうか。
  貧しい、未熟な私たちが信仰の面でも人間的にも多くの人々の絆のなかに支えられ、成長することができた恵みの源泉があります。宣教者にとって、主の降誕祭は、宣教の原点を見つめさせてくれます。
  「私が日本に着いたとき、一人のドイツ人老宣教師が『日本の言葉、文化を大切にしなさい。しかし、それ以上に大切なことは、心がここにあることです。これを忘れてはいけません。』と勧められたことをヴェンデリーノ神父様は決して忘れませんでした」と言います。
  言語の障害を乗り越えながら宣教者たちは、その国の歴史、人々の思考様式、習慣を学びます。違っているから悪いのではなく、それはもう一つの在り方であることに気付き始めます。問いかけ、問いかけられます。その土地を愛し、人々を愛することを学び始めます。
  宣教者の降誕祭は、イエスの中に自分の出発点を見つめさせ、「キリストの背丈」にまで成長してゆく決意を新たにしてくれます。

  

『第38回運営委員会議事録』

日 時:2010年9月10日(金) 10:30〜13:00
場 所:六本木チャペルセンター・コーヒールーム
議 事
  議事に入る前にそれぞれ7月10日と9月5日に帰天された故口−シャイタ神父様と諏訪委員のご主人、故俊二様のために皆で追悼の祈りを捧げた。
T.きずな112号について
  諏訪編集担当からのメッセージ:宣教者からのお便りが少なく淋しかったが、ローシャイタ神父様への追悼文がたくさんあり、また事務所訪問者も多くて充実したものとなった。
  ローシャイタ神父様の帰天そのものをお知らせする記事がないことに気づいたが、中谷神父様の追悼文の言葉で補われた。

U.きずな113号について
  巻頭言はこれから一時帰国される松尾繁詞神父様(ブラジル)にお願いする。原稿の締め切りは11月10日、発行は12月1日、発送作業は12月2日(木)の予定。

V.援助申請の審議
 @ ボリビアのSr.松崎ノブ子(聖パウロ女子修道会)からヽ大神学院6校の図声充実のため今年度分として500,000円の申請があったが、シスターの活動と図書館運営の関わり、神学校運営状況などについて、もう少し具体的な情報が欲しいという意見があり、再検討することとした。
 A ボリビアのSr.清田光子(聖パウロ女子修道会)から、小学校から大学までの図書の充実(25校を対象に絞って)のための支援費用として2、500,000円の申請があったが、どのような形で支援を行うのか、25校はどのような基準で選ばれたのかなど、もう少し具体的な情報の提出をお願いし、その上で再検討する。
 B カンボジアのSr.橋本進子・Sr.谷村恵子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から申請のあった7つの町村を巡回する車両のガソリン代1年間分5,523ドル、480,556円について審議し、巡回教室、医療保健活動の具体的目的にかんがみ、承認を決定。
 CカンボジアのSr.橋本進子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から申請された7ヵ所の「アンチェ教室」に必要な図書代2,450ドル、213,175円について審議の結果、承認。  DシエラレオネのSr.根岸美智子(御聖体の宣教クララ修道会)から申請された電源用発電機の燃料代350,000円および緊急医療費として50,000円の申請があり、審議の結果、合計400,000円の援助を決定した。

W.会長代理・代行について
 ローシャイタ会長の逝去を受けて、新しい会長を任命しなければならないが、当面は中谷功神父に会長代行をお願いすることになった。中谷神父は、現実問題として誰かが責任者とならなければならないので、新会長が決まるまでという条件で、会長代行を受諾された。新会長についてはいろいろな面で司祭職の方が望ましいという結論になり、できるだけ早い機会に人選できるよう努力するため、具体的に候補者を考えて折衝することになった。

X.支援する会の今後について
 @援助の方針:審査の基準を文章化して、支援の対象事業や物品購入について統一した方針を待った方がよいのではという意見が出された。現在これまでの援助申請と承認状況について、過去のデータを整理申なので、これが完成した時点で、これを検証しながら、この問題を審議することとした。
 A事務局の運営について:近い将来、事務局で核となって働ける少し若い世代の人が必要である。そのためには有給で働いてもらい、育成することを考えて然るべきである。事務局の構成を見直し、それぞれ担当の部門を明確にして、仕事量や必要な人員など見極め、さらに経費についても検討していかなくてはならない。
 B会の発展・維持のために会員を増やす運動を展開する要がある。全国的な規模での「きずな」の配布や具体的な広報活動計画を考えたい。帰国された宣教者だちと会い話を聞く機会をもっと作ることを含めて、検討していきたい。

Y.その他
 @クリスマス・カードについて:昨年のカードが好評だったので、また同じようにカルメル修道会に原絵をお願いして、当方で作成することにする。
 A「きずな」発送作業のボランティア補充について:作業人員が少し足りないので、協力者を募ることにしたい。場所の制限があるので、多すぎても能率が上がらないという面もある。
 Bバザーヘの参加について:10月10日に小金井のヨハネ祭のバザーに小規模でも参加することにしたい。
 C次回の運営委員会は、12月11日(土)、16 : 00から行うが、場所はこれから検討。



皆様のご支援をお待ちしております

1982年9月、世界各地へ派遣されている宣教者を日本から支援するためにこの会は設立されました。以来、困難な状況にあって現地の人々と共に生活し、喜びも悲しみも分かち合って活動する宣教者を物心両面から支援してきました。これからも皆様からのいっそうのご支援をお願いいたします。
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         日本カトリック海外宣教者を支援する会 会長 V.ローシャイタ
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