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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

きずな


《巻頭言》

《旅 支 度》

日本翻訳家協会 日本児童図書評議会会員 やなぎや けいこ
  ある神父様がおっしゃった、人生は天国に行くための旅の仕度をするときだ、と。その旅には、自分のために集めたお金も、名声も、権力も持って行けない。が、人のために集めたものならば、どんな小さなものでも持って行ける。
  旅行かばんがパンパンに膨れ上がって、閉まらない人。一つではとても足りなくて、大きなトランクが三つも四つもいる人。小さな化粧ポーチ一つで納まってしまう人。どうしようもない悪人でも、一生のうち一回くらいは自分のためでない行いをするものだ、芥川龍之介の《蜘蛛の糸》の極悪人のように。
  「きずな」を読むたびに,この方たちの旅行かばんははちきれそうなんだ、といつも思う。
  わたしの魂の恩師であるK神父様は、追悼の場でいつもこう祈られたという。
  《慈しみ深い父よ。あなたは全てを見、全てを知っておられます。
  彼が、人のために流した汗のひとしずくをも、あなたはお見逃しになりません。
  彼が、人のために運んだ足の歩みを、あなたは全て数えておられます。
  彼が、不幸な人を思って流した涙を、あなたは覚えておられます。
  あなたは、彼が人のために果たした行いの一つ一つを、ご自分になされた行いとして受け取ってくださいます……》
  なんと心強い祈りだろうか!

  誰かに優しくされたとき、誰かが誰かに優しくしているのを見たとき、わたしは反射的に祈る。《イエス様、覚えていてくださいね》と。それは、わざわざ言うまでもないことなのだろうけれど、念を押さずにはいられない。
  Hさんは、山歩きもよくされる健脚の持ち主である。彼女は毎朝6時半のミサに与るために、知り合いのおばあちゃまの送り迎えをしている。足の弱いおばあちゃまは、10分足らずの道を40分ほどかけてゆっくりゆっくり歩かれる。Hさんは、自分ひとりのときよりも、毎朝何分早起きをされるのだろうか?
  そんな姿を見るとき、人間てなんて美しいんだろうと思う。

  わざわざ言うまでもない、という話をもうひとつ。
  《神様、大好きです》 夜のお祈りの前に、こう言うことにしている。わざわざ言うまでもないことだろうけれど、こう言ったほうが心が落ち着く。それから、代母に教えてもらった夜の祈りの三点セット。まず神と人に《ありがとう》第二には神と人に《ごめんなさい》。第三にお願い。
  そして最後に、ずっと昔日曜学校で習ったお祈り。
  《天のお父様、暗い夜のあいだわたしたちをお守りください》
  その後で、わたしは安心して眠りにつくのである。
  

『第36回運営委員会議事録』

日 時:2010年3月13日(土) 16:00〜17:10
場 所:四谷SJハウス会議室
議 事
T.きずな110号について
  − 編集担当の諏訪さんからの伝言:「今回は中谷神父様からとてもよい巻頭言をいただいた」。その他の委員からもこの巻頭言が好評だったとのコメントがあった。
  − 校正ミスが少し多かったので、これから原稿の段階でのチェックを綿密に、校正をより念を入れて行ないたい。
U.きずな111号について
  当会の会員で児童文学作家・翻訳家でもある柳谷圭子さんから巻頭言の執筆について前向きの返事を頂いたので、この方向で準備することとなった。原稿締め切りは5月10日、発行が6月1日、発送は6月3日の予定。
V.援助申請の審議
 @ ボリビアのFr.倉橋輝信(サレジオ会)から出されていた「サンタクルス教会建設資金2009年度分3,000ドル(282,420円)」については、送金の困難を考慮し、神父の一時帰国中に手交するため、前回の委員会において前倒しで承認したものである。
 A カンボジアのMr.高橋真也(信徒宣教者会)から申請された水上生活者子弟の「通学船維持費6,020ドル(553,840円)」については、すでに3回目の申請であるが、承認。担当者からはいつも活動状況、援助金の支出について詳細な報告が寄せられている。
 B エクアドルのSr.横山まさ子(聖母被昇天修道会)から申請のあった小型トラック(17年間使用)の修理費5,000ドル(460,000円)について審議。宣教活動の最低限の必要機材として承認を決定。

  以上で今回の支援額小計は1,296,260円となった。為替レートは1ドル:92円。
  これまでの支援累計額、5,302,000円と合わせて、2009年度の援助額累計は6,598,260円となる。
  なお、前回支援を決定したハイチのSr.須藤への5,000ドルは、地震災害のため現地に戻れないこと、植林事業が続けられるのか分からないので、ご本人からこの援助を返したいとの申し出があった。しかし、現地は緊急援助を必要としており、その使用方法についてはご本人に任せ、有効に使っていただくことで全員の賛同を得た。
W.その他
 1)2月の講演会に参加されたミクロネシアのSr.赤岩は、日本での任務につくため、4月に帰国することになったと報告があった。
 2)今年度のバザーへの出店については、東京の目黒教会と小金井教会で参加する。目黒教会は6月6日(日)の予定。販売の対象が高齢化しているので、衣類はあまり喜ばれず、タオル、靴下、石けんなどがよく売れることを考えて用意する。
 3)「東京教区ニューズ」に毎月海外宣教者の活動が紹介されているが、記事は当会運営委員がして提供している。1・2月合併号では、海外宣教活動の概況を説明し、3月号では災害のタイミングもあり、ハイチの宣教活動を紹介した。4月号ではコンゴのこと、5月号ではアジアのタイを取り上げることになっている。
 4)次会の運営委員会6月12日(土)午後4時から四谷のSJハウスで開催。



皆様のご支援をお待ちしております

1982年9月、世界各地へ派遣されている宣教者を日本から支援するためにこの会は設立されました。以来、困難な状況にあって現地の人々と共に生活し、喜びも悲しみも分かち合って活動する宣教者を物心両面から支援してきました。これからも皆様からのいっそうのご支援をお願いいたします。
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         日本カトリック海外宣教者を支援する会 会長 V.ローシャイタ
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