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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声


カンボジアからのお便り(コンポンルアンにて)

信徒宣教会(JLMM) 高橋 真也
 ☆ 本当は恐い粉ミルク
  母子保健プログラムでは、粉ミルク支援を行っています。ですが、支援するのは本当に特別な場合のみです。なぜかというと、粉ミルクは『ベビーキラー』と呼ばれているほど、乳幼児を死に至らしめる可能性の高い、危険なものだからです。なぜ危険なのかというと、アジアの貧しい地域に住む人々は、哺乳瓶を清潔な状態に保つことが出来ず、哺乳瓶についたバイキンが、赤ちゃんを死に追いやってしまうからです。粉ミルクを溶くための水もそうです。雨水や川の水は、直接与えることが出来ません。殺菌のためには、水を沸騰させたり、哺乳瓶の容器を煮沸したりしなければなりません。ですが、「面倒だから《とか「別に透明な水だから、大丈夫《といってそれをしない、無知なお母さん達が現実にはたくさんいます。それに、その水を沸騰させるための薪すら買えない家庭だってあるのです。貧しい家庭の多くは、上衛生な環境に住んでいますので、バイキンを全く排除することは上可能です。結論。『粉ミルクは使用しない』方が良いのです。
  先日も、あるお母さんから粉ミルク支援を頼まれました。早速土日の無料クリニックを手伝ってくれている産婦人科の先生と一緒にお母さんの家に行ってみると、とても小さい舟の家に住んでおり、見るからに貧しい家庭でした。家にあがると、奥にはすごくちっちゃい赤ちゃんが寝ていました。生後1週間だそうです。彼女に話を聞くと、「自分の母乳だけでは栄養が足りないので、粉ミルクを併用したい《ということでした。でも先生は、「母乳が出るなら、母乳で育てなさい《と、はっきり言いました。月の収入が50ドル(約5千円)にも満たないこのお母さんが、月に10ドル以上もする粉ミルクを購入することは上可能です。
  そして気になったのは、このお母さんは23歳ですが、もうすでに5人子どもを生んでおり、なんとそのうちの3人が死んでいるという事実です。先生も私も、それは粉ミルクを上衛生な環境で与えていたことが原因だろうと推測しました。そういった状況を引き起こしたのは、お母さんが無知であることも少なからず関係していると判断し、先生はそこで、粉ミルクも使い方を誤ると危険なことを説明しました。またこのお母さんは、結婚してからずっと妊娠している状態が続いているので、それでは母体にかかる負担が大きく、出産時のリスクも高くなることなどを、先生は身近な事例をもとに話してくれました。それを興味津々で聞くお母さんきっと私達の母子保健プログラムが、このお母さんと赤ちゃんの命を守り、育んでいくために一役買えたのではないかなと思います。
高橋9 高橋10
訪問したお母さん、粉ミルクは支援しませんでした  月1回の予防接種にあわせたワークショップの様子

  最後にお知らせがあります。私、高橋真也は、7月いっぱいをもちまして5年8ヶ月の任期を満了し、日本に帰国いたします。水上村での活動は、後任の篠田 正司に引き継ぎます。従いまして、この通信も次回からは後任が送ることになります。  今まで長い間、通信を読んで下さった皆様に感謝いたします。またこれからも、変わらぬご支援、お祈りのほど、なにとぞよろしくお願いいたします。本当にどうもありがとうございました。
2011年7月5日



ハイチからのお便り(カパイチエンにて)

レデンプトリスチン修道会 シスター飯村 美紀子
  海外宣教者を支援する会の皆様
  †主の愛は永遠!  ご無沙汰しておりましたが、会と事務局の皆様にはお元気にお過ごしでいらっしゃいましょうか?  暑中お見舞いを申し上げます。そちら日本も大変な暑さで、熱中症にかかられる方が多いと伺っております。こちらハイチでは、2010年1月の大地震以来、まだまだ復興は十分には成されておらず、郵便局も殆ど停止状態で、今年の6月に、昨年2月のカトリック新聞が届いたのが最後なのです。
  幸い、飛行便で送って下さいました、カトリック生活、及び聖母の騎士誌は、本日7月15日に無事届きました。有難うございます。半ば諦めておりましただけに、実にありがたいことと感謝しております。雑誌を御寄付くださった方、そして、郵送のために働いて下さる方々に心から感謝し、主が其の労に報いて下さいますよう御祈り致しております。
    先ずは、感謝まで!
              
2011年7月16日