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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声


パラグアイからのお便り(エンカルナシオンにて)

聖霊奉侍布教修道女会 シスター林 静子
 海外宣教者を支援する会の皆様、先月は援助資金をお送りいただきまして、有り難うございました。受領を確認させていただきます。
日本は新潟地区で大地震による被害が起きて、大変だった様子をニュースで知りました。小さな土地に多勢の人口で、日本も大変でございましたね。
 以前パラグアイで10年間司牧をなさった谷川神父様が一寸パラグアイを訪問して下さいましたが、時間が少なくて、残念ながらピラポ移住地まで来ていただくことはできませんでした。 最近泥棒が多くなり、教会関係にも被害が出るようになり、つい最近もピラポとエレディダの司祭館とシスターの家が被害に遭いました。
 ミサの時間は司祭館やシスターの家が空き家になるので、盗難を予防するためのベルを設置することにしました。3人の電気屋さんが昨日から2日がかりで働いています。この度送金していただいた援助金は、泥棒事件の後に受け取りましたので、直ぐ銀行に預けることができましたので、ご安心下さい。
 泥棒が多くなった原因の一つは、若者に仕事がないということです。ブラジル、スペイン、日本などに出稼ぎにゆく人も増えておりますが、家族が別れ別れに住むことも問題です。父親、または母親が不在の場合は、子供たちはさびしく、学校の宿題などもみてもらえないのです。
 来年大統領選挙があります。この国を長い間支配していたのは赤党(Colorado)で、共産党とは違いますが、政治の乱れで一般の貧しい人々はますます貧しくなり、病院や教育の方も落ち込んでおります。フェルナンド・ルーゴ司教様は、この国の改革の目的のために司教職を辞して、今大統領候補として活躍しております。国民の支持率も高いのですが、どうなるかはっきり分かりません。
 日本もお暑いことと思いますが、どうぞお身体に気をつけてお働き下さいませ。とりあえず、お礼まで。
2007年8月7日



ロシアからのお便り(サンクトペテルスブルグにて)

フランシスコ会司祭 根本 昭雄神父
 私は2005年10月11日、ロシアのサンクトペテルスブルグに移動しました。何故アフリカらロシアへ、といろいろな方から聞かれるのですが、私はこう答えています。
 エイズの問題はもうアフリカだけに絞ることはできなくなってきました。患者感染者の数は大きく世界に広がろうとしているからです。国連エイズの調べではご承知のようにアフリカ、東南アジアはもとより、中国、東ヨーロッパへの拡大が懸念されています。私は毎日、南アでエイズ患者の死と向き合って生活し、何をすべきなのか、何をしてはいけないのかを、毎日亡くなる患者を前にし、考えさせられてきました。医療対策も進みよい薬も出てきました。元気になる人々が出てきたことも事実です。しかし、これらの恩恵を受けられない人々があまりにも多く、毎日、死んでいく人の数は増えるばかりで、この勢いを未だにくい止められずにいます。昨日まで笑い、歌い、ダンスをし、また静に聖堂で祈っていた少女も、子供たちも、今日は力を失い、倒れ、死んでいくのです。
 エイズはその破壊的な規模と対応の難しさから"比類のない課題"と言われています。完治する治療薬やワクチンは開発されておらず、様々な努力にも拘らず、流行の勢いは一向に衰えていません。2004年1年間に世界で新たに490万人がHIVに感染し、310万人がエイズにより死亡しています。これは、2004年のインド洋の津波が、ほぼ毎月、しかも、毎年繰り返し起こる規模に匹敵します。津波と異なり被害が表面化しにくく、それ故"サイレント津波"と表現されています。
 どうにも救いのようのないこの現実に出会い、私は、祈りました。神様、教えてください、どうしたらよいのでしょうかと、・・・・
 薬でも、医療施設の完備でも、スタッフの充足でも患者は救われません。だとすると、もう患者には救いを与えられないのでしょうか。そんな筈はありません。そうです、イエス様のみ声が聞こえてきます。"小さい人々の中にキリストがおられる"のです。小さい人々、それは患者自身なのです。患者たちの中にキリストはおられるのです。患者は誰よりもエイズの苦しみを知っています。まだ、歩行が可能で、しかも、語ることができる状態の患者なら、病床にある患者を訪問し、痛みを分かち合い、祈り励ますことができます。お互いに、死と向き合う短い命であっても、患者の中にお住みになるキリストが語り、互いを慰めあうことができるのです。これに勝る薬、適切な医療行為は他に考えられません。
 これは、アフリカだけでなく世界中の人々が国境を越え、互いに兄弟姉妹となり、励まし合うことができる癒しと慰めであり、キリストの平和を与える力強い方法なのです。私は、ロシアからアフリカへ、アフリカからロシアへと患者たちが、何らかの方法で交流し励ましあうなら、小さい人々の伝えるキリストの愛と平和の輪は大きく広がると確信しています。タイからアフリカへ、中国からロシア、ロシアからアメリカへ、連帯の輪が広がるなら素晴らしいことです。もうすでに、アメリカのエイズセンターにはコンピューター・ルームが設けられ、Eメールを発信し合って、患者同志が励ましあっています。貧しいアフリカではこの方法は無理でしょうが、患者自身が動きだし、行動するならEメールよりも、もっと効果的です。そのため世界中の兄弟姉妹が、この視点からの支援と協力を展開するなら、貧しい人々に対する、そしてエイズに苦しむ人々のために、大きな力となるでしょう。
 ロシアではストリート・チルドレンが増えています。こうした、悲惨な社会現象がエイズ拡大への引き金にもなっているのです。大国とはいえ、その影に隠しきれない、貧しさが横たわっているからです。就職難、家庭内の争い、両親のアルコール中毒、離婚等々は、子供たちに登校拒否、家出、シンナー遊び、暴力、犯罪の道を作っていきます。
 お祈りください、
 この地で力一杯、神様のみ国の発展のために働くことができますように・・・。

ロシアのストリート・チルドレン−1
ロシアのストリート・チルドレン−1


ロシアのストリート・チルドレン−2
ロシアのストリート・チルドレン−2


ロシアのエイズ関係統計資料1
ロシアのエイズ関係統計資料1


ロシアのエイズ関係統計資料2
ロシアのエイズ関係統計資料2

2007年8月10日



カンボジアからのお便り(コンポンルアンにて)

日本カトリック信徒宣教者会 高橋 真也

 毎日のように強い雨が降り、水上村のあるトンレサップ湖も、いろんな川から流れ込んでくる水によってドンドン大きくなってきています。季節の移ろいがはっきりと分かるカンボジアです。
☆ 心の交流
 先日、『体験ボランティア』というJLMMの企画で、水上村に3名のボランティアの方が来て下さいました。長年幼稚園の先生だった80歳近いおばあちゃんシスター、小学校の音楽の先生であるシスターと、若い小学校の音楽の先生。この女性3名がボランティアとして3日間、水上村でのJLMMの活動をお手伝いして下さいました。
 水上村教会の識字教室には、午前と午後あわせて80名近くの生徒がいます。その子どもたちのために、先生方は前々からいろいろ準備をして、折り紙や絵の具を使ってのお絵かき、歌や楽器のおけいこなどを教えて下さいました。さすがプロの先生だけありまして、子どもの心をつかんで、上手に授業をして下さいました。生徒達は普段と違う特別授業の雰囲気、そして今まで習ったことのない、新しい学びの体験に、終始盛り上がっていました。
 授業最終日、識字教室のカンボジア人先生が、「素晴らしい授業を見せて頂いて、子どもたちにとっても、私にとっても、良い勉強になりました。感謝しています。ただ、もう先生方が帰ってしまうのがとても残念です…」と涙ながらにお礼を述べました。そんな先生の言葉に、みんな目をウルウルさせていました。日本人先生と現地の先生、どちらも別れが惜しくなるほどの人間関係を、短期間で築き上げたのです。
3名の先生方はそれぞれ、言葉という障害を乗り越え、自分が持っている個性、経験などの宝物を生かし、それを現地の人と交換し合うことで、心の交流をなさいました。この心の交流は、互いの心に、想い出としてずっと残っていくことでしょう。
人間が人間に贈ることのできる最善の贈り物 それはいい想い出です。
(ガブリエル・マルセル)
 初めての企画だった『体験ボランティア』ですが、これはボランティア参加者だけでなく、現地の派遣者にとっても、現地に住む人々にとっても、実りの多い企画でした。ぜひこれからも続けられることを願っています。今回「80歳近いおばあちゃん」と失礼な書き方をさせて頂いたのは、年齢に関係なく、だれものが参加できるのですよと、皆さまにお伝えしたかったからです。皆さまも、ぜひ心の交流をしに、水上村を訪れに来て下さい!

☆ 『浄水プロジェクト』始動!
 以前お伝えした、きれいな水を作るための『浄水プロジェクト』。これは、水上村の汚い水をろ過して、飲める水にし、老人や乳幼児を抱える家庭を対象に安価で提供するというプロジェクトですが、いよいよ今月から本格的にプロジェクトが始動し始めました!
 浄水装置は、貯水タンクやろ過装置などで、結構大掛かりな装置となります。大きな土台の舟を準備し、その上にやぐらを建てて装置を設置したのですが、これら全ての工事を終えられたのが7月の終わりでした。私が日本に一時帰国している間、パートナーであるラー君は、一人で何人分も働き、この浄水装置の設置のためにがんばってくれました。やぐらが完成したからと、喜んでばかりもいられません。肝心なのは、おいしい水が作れることです。
 初めて装置を稼動した日、これは私とラー君二人にとって、記念すべき日になりました。湖の水を吸い上げ、ろ過装置に通したところ、出てきた水は、透明かつ無臭の、素晴らしい水でした!「こんな水が本当にきれいになるの?」と、初めは半信半疑でした。それほど湖の水は臭く、コーヒー色なのです。でも、浄水装置の働きは、私の想像を超えた良い働きをしてくれました。初めて出来た水を、ラー君と二人で乾杯して飲んだその瞬間、大きな達成感に包まれました。
 水上村で活動をしていく日々の中で、充実感とか、達成感などを感じることは、なかなかありません。活動をしているとこまごまとしていて、厄介な問題が毎日のように起こります。一緒に協力してやっている水上村教会の中での、ごちゃごちゃした人間関係などに巻き込まれたり、毎日識字教室の活動に関わっているけれど、何も進歩していないように感じられたり、病人支援活動をしていても、病気がすっかり治って元気になる人はとても少ないのが現実だったり。充実感どころか、何も解決できない、一歩も前に進めないような無力感を感じることが多い日々なのです。でも、無力だと感じることは、神様が選ぶ、貧しくされた人たちの価値観を学ぶために大切なことです。「何か出来ている」という充実感を味わうために活動をするということは、学びの本質からずれてしまうのではないかと思っています。
 わたしの愛する兄弟たち、よく聞きなさい。神は世の貧しい人たちをあえて選んで、信仰に富ませ、御自身を愛する者に約束された国を、受け継ぐ者となさったではありませんか。 (ヤコブの手紙 2章5節)
今回の「きれいな水を作ることが出来た」体験によって得られた達成感は、苦労が報われた、ごほうびだと思います。たまにはいいものです。気をつけなければならないのは、「達成でき、成果をあげられるものでなければ、やる意味がない」とか、「住民の暮らしが目に見えて改善されなければ、私たちの働きは無駄だ」とか、そういった考え方だと思います。『充実感』とは、真に水上村のみんなが望んでいる夢の実現を目指すために協力し、活動をしている時に、与えられるごほうびで充分なのではないかなと思いました。
 いよいよこれからが本番です。飲めるようになった水を、私とラー君、二人の口だけではなく、きれいな水を必要としている住民の口へと届けなければなりません。そのためにすべきこと、考えなければなれないことは、まだまだたくさんあります。頼りない私ですが、しっかりもののパートナーと、水上村のみんなと協力して、次の段階へと進んでいきたいと思っています。今後の展開もご期待下さい!
2007年8月13日
 


ボリビアからのお便り(サンタクルスにて)

サレジオ修道会 司祭 西沢 学

 主の平安
 残暑お見舞い申し上げます。
 NHKニュースによりますと、日本列島も災害、台風、水害、地震などが続き、多くの方々が被害を受け、苦しんでおられるとのことで、共感いたします。また、日本は善意の方々が多く、助け合っておられる様子も知り、慰められます。どうか被害を受けた方が一日も早く復帰し、平常の生活ができるようにお祈り申し上げます。
 さて、お礼が大変遅くなりまして申し訳ありませんが、サクラダ・コラソン・ミッションの司牧費(交通費)として援助を頂き、心よりお礼申し上げます。
 私どものサクラダ・コラソンのミッションは、サンタクルス州の北西部に当たり、モンテーロより数百km奥に入った所です。面積は9,000平方キロメートル、長さ190キロメートル、幅40〜60キロメートルの範囲に及びます。
 この地域は、ここ10年間で発展し、人口は約2万人程度です。ボリビアの大きな産業である鉱山が閉鎖され、職を失った人々が国内移住してできた集団です。住民の大方がモタク小屋に住み、企業の事務所だけが煉瓦造りです。集落はバラバラで、2千人の村落もあれば、数百人や数十人の村落もあります。
 住民の仕事は、ジャングル畑でトウモロコシやユカなどを栽培する農業や日雇い労働です。住民は、学歴も技術もなく、体が唯一の財産です。病気、災害に対して何の蓄えもなく、不安定な毎日を送っています。外国企業は、色々な国際的景気のブームの度に乱開発を行い、道路や自然を無責任に破壊するということを繰り返してきました。道路はアスファルトでなく、土埃の道で、大雨の後は小さい車は、大型の車の轍のために通れません。
 教会については、30箇所に大、中、小のチャペルがります。教会とその建物も粗末で、雨露をようやく凌ぐ程度のものです。3人の司祭でこの地方一帯を司牧しています。
 精神的な世話に集中できる町と違って、お世話の対象は地域全体の住民の生活全般にわたっています。学校の教材(教科書、ノートその他)から医療費、死者の埋葬(親族がいない場合)などなどです。最近、ようやく電気が入って来ました。しかし、彼らはその使用料が払えません。
 学校や医療、福祉などの大きな施設や建物については、外国の援助もありますけれども、教会の司牧費、30箇所を巡回するガソリン代、上記のような貧しい人の必要諸経費を援助するところはありません。特に今年は、例年にない大洪水で、村全体が浸水してしまいました。教会や道路にテントを張って、長らく生活しました。その折にはサンファン移住地の日系人に食糧やその他多くの援助を頂きました。人々が村に落ち着き出すと、我々の司牧巡回が始まりました。
 その折、海外宣教者を支援する会よりガソリン代の寄付があったことは、本当に大きな神のみ摂理でした。皆様の寛大なお心に神が豊にお報い下さいますように、村の貧しい人々に代わってお礼申し上げます。
2007年8月15日



ブラジルからのお便り(アモレイラにて)

長崎純心聖母会 シスター堂園 みつ子

 お元気でいらっしゃいますか。暑くて寒い冬を過ごしています。
 一日としてゆっくり過ぎる日がない位、駆け足で時がたっていきます。10月の第5回春祭りに向かって準備に入りました。今年の目的は遊具です。滑り台、ブランコなどが古くなってきました。
 さて、ブラジルの8月は召命の月、各日曜日ごとに司祭の日、父の日、修道者の日、カテキスタの日と続きます。アモレイラの純心幼稚園でも父の日のプレゼントを準備しました。母の日は各家庭にひとつずつのプレゼントですが、父の日は子供たち一人ひとりがプレゼントを持って帰りました。5才のLは養母のことを僕のお父さんの奥さんと呼びます。小学1年生になったRは、先生から1レアル(50円)持ってくるように言われました。
「お父さんにプレゼントあげたの?」
「ううん、お金を持っていかなかったから」
「お母さんに言わなかったのでしょう?」
 すると母親が「あんな父親には50円ももったいない」
 彼の父親は日曜日のミサを欠かしません。でも子供たちには何も援助していません。もちろん一緒に住んでいません。彼らに父親はいないのです。養母を代えていく父親たち、養父を代えていく母親たち、このような両親に子供たちはどういうイメージを持っているのでしょうか。こういう世界では自分だけが頼りです。広い心でいつも共にいてくださる神様のイメージが届くには、あまりにもカベが固くて厚すぎます。情緒不安定、暴力的、依存的、利益主義、教室に入る段階でストップしています。
 6才の男の子が入園してきました。教室に入りません。シャワーも浴びないし、食事もしません。
「お願だから僕の好きなようにさせて、自由にあそばせて、誰にも迷惑かけないから」
 赤い大地の地平線がはるかかなたに見え隠れしています。暗い世界だからこそキリストの光はもっと強く輝くのかもしれません。
 先に向かって共に歩いていきましょう。
2007年8月17日



ブラジルからのお便り(浜松にて)

マリアの宣教者フランシスコ修道会 シスター佐々木 光子

 海外宣教者を支援する会の皆様
 日頃のご親切へのお礼も、帰省のご挨拶もそこそこに、不法滞在者のように過ごして了いましたことを心からお詫び申し上げます。
 何時の間にか3ヶ月が過ぎ去り、この間に体験しましたいろいろな事を今更のように感謝いたしております。特に石川神父様のお通夜に出席できましたことは、超特別な神様のみかからいとして何時までも私の心に残ることでございましょう。
 日本がこんなに暑い国とは存じませんでした!でも今年の日本の猛暑との出会いも、きっと私にとってある有意義な体験なのでしょうと考えています。
 では9月早々またブラジルに出発いたします私どものため、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 皆々様のお仕事、ご健康をお祈りいたしながら。
2007年8月17日



ボリビアからのお便り(サンファンにて)

サレジアン・シスターズ シスター竹山 敏枝

『海外宣教者を支援する会』の銀祝と『きずな』100号のバンザイを南米ボリビアの地より心からの感謝をこめてお届けいたします。貴会のこれまでのご苦労を宣教者の主に委ね、大いなる祝福で充たしてくださるようにとお祈り申し上げます。
 先日は「きずな」99号14ページで新派遣者として紹介してくださり、早速その99号をお送りいただいて感動でいっぱいです。はじめて手にする「きずな」にどんなに大きな力をいただいたか知れません。 しばらくは、ベッドや車の中でいつも「きずな」は私と一緒にありました。「きずな」によって、多くの親しい友を得たというよろこびに励まされています。
 私はこの春、日本を離れ、アトランタ(アメリカ)サンパウロ(ブラジル)、アスンシオン(パラグアイ)を経て、目的地ボリビアに赴任してから早5ヶ月が過ぎました。広大な牧草地を車窓から眺めているうちに、本当に未知の世界に舞い降りてしまったのだという実感を抱いて、熱くなったことを思い出しています。
 私の宣教の場は、戦後直後日本からボリビアに入植し、ジャングルを切り開いて生まれた、ボリビア大陸の日本村といわれるサンファンという所です。ボリビア国はカトリック国ですから、教会自体は大きな存在力をもっていますが、貧しさ故に倫理面で非常に疑問を感じさせられます。最近は土地、金銭、貿易などの不満が原因でよくストライキが起こっています。こちらのストライキは道路を封鎖して座り込むというやり方ですから、流通関係が閉ざされ大混乱になり、暴動に発展することがあります。そんな中で日本人入植者のサンファン村には、長崎の素朴なカトリック信仰が息づいているのを感じます。
 このサンファンの地で私は具体的にどんな福音活動をなすべきかを、スペイン語の習得に専念する傍ら、主の導きを祈りながら模索する日々を送っています。難問の一つは、とにかく日本の3倍という広大な地を徒歩で駆けめぐることは不可能であるという現実です。例えば、郵便物を投函するにも車で3時間掛かって、郵便局まで行かなければなりません。ですから貴「会」からの交通費援助が、私たちの宣教の足を支える大きな力となっていますことを、改めて心からお礼申し上げます。
 貴「会」の益々のご活躍をボリビアの地よりお祈り申し上げて。
2007年8月27日



ブラジルからのお便り(サンパウロにて)

宮崎カリタス修道女会 シスター浜崎 和子

 海外宣教者を支援する会の皆様へ
 この度、「海外宣教者を支援する会の創立25周年」おめでとうございます。この25年間、海外宣教者を支え、援助し、励ましてくださった支援する会の存在とお働きに深い感謝をこめて、神様の御祝福をお祈り申し上げます。
 私どももこの間、支援する会の皆様のお働きによって幾たび支えられ、苦境や困難から立ち上がったことでしょう。海外宣教者にとって皆さまのお働きには宣教協働者としての深いきずなに結ばれていることを心強く感じております。
 これからも、海外宣教者を支援する会のすべての皆様が共によろこび、お働きくださいますよう、ご健康のお恵みをお祈りしながら感謝といたします。
 神様の御祝福が、海外宣教者を支援する会の上に、ますますゆたかに注がれますよう!
2007年8月30日



ボリビアからのお便り(サンタクルスにて)

宮崎カリタス修道女会 シスター秋永 みすえ

 日本カトリック海外宣教者を支援する会の皆様
 残暑厳しい夏とお聞きしております。皆様いかがお過ごしでしょうか?  こちら、ボリビア サンタクルスは、ここ数日、南からの冷たい風が吹き、例年にない寒さを感じております。お隣の国、ペルーも寒波が襲っていると耳にし、地震の被災者の方々が、この寒さの中、どんなに苦境に立っているのかと思うと心が痛みます。
 また、ボリビアでは、政治・経済への不安は、日に日に募るばかりです。昨年この国を襲った大水害の影響が、今も、庶民の生活に及んでいます。この国の治世者、教会の指導者が、私たちを導き、神のみ旨が行われる よき国づくりができますようにと 慈しみ深い父に心からの祈りを捧げ、その動向に関心を持ちながら、日々の奉仕に励んでいる次第です。
 さて、この度もカリタス学園の高校専門コース・建築の部の教材・水準器の購入のため、援助をくださり、ありがとうございました。まずは、中古ですが、1台水準器を購入しましたので、生徒たちの実習風景写真をお届けいたします。私たちのカリタス学園は、高校での専門コースを続けるために、教材の確保、管理、維持に頭を悩ませてきました。必要で高価な機器をそろえることも大変ですが、その管理維持が、さらに困難です。たった一つの部品を海外から取り寄せるために何ヶ月も待たなければならなかったり、または、それを修理する専門家に限界があったり、高価なために、数少ない機器を大勢の生徒で共有するため、実習が全員に当たらないこともあり、残念に思うことがたびたびあります。こうして皆様が、私たちの困難をご理解くださり、ご支援してくださることは、このボリビアの将来を担う子供たちの全人的な教育・養成につながっていることと確信しております。
 日本カトリック海外宣教者を支援する会の皆様の温かく、継続した支援に心からの感謝を捧げつつ、皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げ、簡単ですが、お礼の言葉とさせていただきたいと思っております。

水準器の実習−1 水準器の実習−2 水準器の実習−3
2007年8月31日