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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声

ペルーからのお便り(リマにて)

礼拝会 シスター 川俣 恭子
「支援する会」の皆様へ

 お元気でお過ごしでしょうか?東京は梅雨も終わって、暑くなってきているのではないでしょうか? こちらリマでは例年にない寒い冬を迎えています。毎日のように霧雨が降りて、地面はぐっしょりと濡れています。ジメッとした寒さが身に凍みる毎日です。
 今年のリマの冬はものすごく寒くて、異常気候の冬です。夜中に寒くて眼が覚めると、ムシロ小屋に住んでいる貧しい人達がどんな思いでこの寒い夜を過ごしているかしらと考えて、眠れなくなってしまいます。本当に、本当に可哀そうです。
 先日、「きずな」が届きました。いつもいつも、献身的にお働きくださいましてほんとうにありがとうございます。届いた時はちょうど働いていて、手が離せない時だったので、封を開けるのが待ちきれない思いでした。「きずな」はいつもとても楽しみにして待っているのです。世界の各地で働いていらっしゃる皆様のお便りを読むと、とっても慰められて力が湧いてくるのです。
 座談会はとても良い企画でしたネ。興味深く読ませていただきました。
 私の拙文も載せて頂いてありがとうございました。会の皆様にペルーの貧しい人々の現状を分かっていただけると嬉しいのですが・・・。そして、彼女達のために祈っていただきたいのです。本当に祈りが必要です。この果てしない貧困を前にして、小さな私たちの努力が何だかとっても虚しく思える時があるのですヨ。そんな時は祈りだけが私に慰めと希望を与えてくれます。ご聖体のイエズス様に向かって、「主よ、あなただけが彼女たちの涙と苦しい心をご存知です。あなただけが彼女たちの心を癒やしてくださることができるのです」と訴えます。
 今日も、夕方6時のミサの帰りに、街角の暗がりに立っているロクサナに出会いました。口紅を真っ赤に塗って、赤いミニスカートをはいて、寒さの中に立っていました。6時まで、「ミカエラの家」で美容師の訓練を受けていたのですが、その後、何処で変身したのでしょうか?3人の子供を育てるためには売春しかお金を得る方法がないのです。バツが悪そうだったので、私の方から近づいて「ロクサナ働いているのネ。寒くない?」と声をかけたら、「仕方ない。これが人生だから。」と悲しそうに笑いました。「可哀そうに」と言って、しっかり抱きしめてあげました。
 ロクサナは、「私の家の近くには美容院がないのヨ。だから美容師の技術を習って、私の家で開業したいの。それが夢なの。」と言って、熱心に通って来ています。
 5月の自分の誕生日にはケーキとコーラを買ってきて、皆に振舞いました。「私は生涯で一度も誕生日を皆に祝ってもらったことがないの。一度でいいから、みんなから“おめでとう”って言ってもらいたかったの。」と顔を輝かせて言っていました。どうぞこのロクサナのためにもお祈りくださいませ。
 それでは、皆様どうぞお元気で。「リマ便り3」にとりかかっていますが、いつ完成するのかしら?
誕生日
皆に誕生日を祝ってもらいたかったロクサナ

2004年07月05日




ボリビアからのお便り(サンタ・クルスにて)

サレジアン・シスターズ シスター 山口 多香子
「きずな」のスタッフの皆様

 皆様にはその後お変わりございませんか? 厳しい暑い夏とのこと、呉々もお身体を大切にして下さいませ。
 ボリビアに帰り、直ぐ活動開始で、あっちこっち飛び回っています。日本の恩人の方々のご支援を頂きましたことも、皆で感謝いたしました。折りがございましたら、どうぞよろしくお伝え下さいませ。
 ボリビアは冬休みですが、アンデス山脈系にあるポトンやラパス、コチャバンバの町は、雪や氷で寒い寒いと言っていますが、サンタ・クルス州は亜熱帯なので、日中は20°Cを超します。と言っても朝晩は冷えます。
 日系の方々の老齢化に伴い、色々考えなければならないことが多々あるようです。でも今年は8月15日のコロニア・オキナワ移民50周年の祝いに向けてハッスルしています。
 来年はサン・ファン入植50周年です。数々の苦労の上に今がございますので、行事がうまく行くだけでなく、過去50年の人と事柄に神の祝福といつくしみとねぎらいを祈り求めている毎日でございます。その内マンガ通信を恥ずかしながら送らせて頂きます。近々日本に帰る方に依頼して投函して頂くので、ひとまず乱筆ながら御礼まで。感謝をこめて。
2004年07月某日




シエラレオネからのお便り(ルンサにて)

御聖体の宣教クララ修道会 シスター 根岸 美智子
「会」の皆様へ

 暑中お見舞い申し上げます。きっと今、日本はこちらに負けない暑さでしょうね。むしろ日本の方が今月は暑いと思います。ここシエラレオネでは雨季の7月、8月は気温も28度から30度前後の日が多く、夜などタオルケットが必要です。
 お元気でいらっしゃいますか? 「きずな」をありがとうございました。楽しく読ませて頂きました。残念ながら日本からの通信はいつでも到着している訳ではありません。こちらから出す手紙はかなり良くそちらに到着しますが、日本からのものはかなり紛失してしまっています。それで今回、無事「きずな」が到着しましたので喜んでいます。ありがとうございました。
 昨年はかなり健康に恵まれ喜んでいましたが、今年の雨季に入って調子を崩してしまいました。5月に風邪で高熱、6月にはひどい腸チフス、ブラザーの修道院の病院に緊急入院しました。まだ病院が完成していませんので、修道院のお部屋を私たち宣教師の病室として貸してくださっております。
 先日もここで私たちの先輩である聖なる宣教師ピーター・カルサ神父がここで亡くなられました。その後同じ病室に今度は私が急遽入院、昼夜の点滴とブラザー・ドクターの献身的な介護の結果元気になれました。
 いうことを聞かないこの患者、熱が下がるといわれる時までいないで、退院してしまい、その夜、また少し悪くなりました。後悔はしましたが、お蔭様で元気になれました。そして7月になって新たに今度はマラリア、ぎゃふんというところです。でも、これもお蔭様で峠を越し、またホンダにまたがって学校に行っています。
 65歳を過ぎたおばあさんがホンダの三輪車にまたがるとは時代も変ったもの。天国からお父さんがどんな顔で見ているかな、などと私は思いながら走らせています。ルンサの町では私の三輪車を見ますと、皆、子供も大人も笑顔で挨拶してくれますが、川底のような道ですから、うっかりしますと大変です。大きな穴に飛び込んでしまいます。そこで愛嬌も適当に振る舞わなければなりません。
 それでも鉄砲の音が聞こえなくなっただけでも本当にうれしいことです。シエラレオネには戦争の後、たくさんのNGOが入りましたが、その多くは皆ダイヤモンドのある東南部にいってしまい、こちら北部はいつまでも廃墟のまま残されています。たくさんのNGOがダイヤモンドを目的として入っていたことがわかり、最近、政府はかなり締め出しているそうです。
 外国から来た人々はドルで物を買うので物価がどんどん高くなり、日本の物価も顔負けの物価高で、人々は収入がありません。その上たくさん来る支援は政府を通すので、その恩恵は少しも底辺に届きません。支援物資を高く買わされているのが現実です。
 それに比べカトリック・ミッションの働きはすばらしいです。イタリア人のビグシー司教はイタリア政府と話し合い、お米をたくさん送って頂きました。それをシエラレオネ中に均等に配分し、人々を何度も助けています。また各地に住む外人宣教師たちもそれぞれの国からの支援を支えに、たくさんの人々の力となっています。私たちもささやかながら、日本の皆様のご支援で地域社会の向上につとめています。
 私の働くセンターでは17歳から40歳までの女性たちが職業訓練を受けています。平均年齢は23才位です。ほとんどが極貧の家庭から来ています。家庭すら持っていない、娘もかなりいます。つまり、この戦争で反乱兵士に捕われ、森の中の生活を強いられ、彼らの食事つくり、そして性の奴隷となった娘たちです。子供を生まされたり、性病にかかったり、今でもこの治療のため病院に通いながら勉強にきている生徒も何人かいます。彼女たちは家族にも見放され、一人で生活しています。ある娘は自分の目の前で両親が無残に殺されました。このような苦しい過去を持っている生徒がほとんどです。何人かの生徒は結婚しています。その他、貧しくて学校に行けなかった生徒が基礎科の生徒として、中学中退した生徒が洋裁、家政科に、そして高校卒、あるいは中退の生徒が商業科で学んでいます。 ほとんどの生徒が教育費を支払えません。そこで私はこの生徒たち少なくとも100名を助けましょうと、いま世界中の知人・友人に里親になってくれないかとお願いしています。年間1人約今年は日本円にしますと8千から1万円かかります。これを3年間お願いしています。昨年は35名ばかり里親になっていただきました。おちこぼれの生徒の里親なのでなかなかみつかりません。でも神様に信頼しながらがんばっています。お祈りくださいませ。
 一昨年頂きました発電機と印刷機は本当にすばらしい働きをしてくれています。小学校、中学校、高等学校、そしてセンターの試験などは皆これでさばいています。
 電気も皆が恩恵をこうむっています。しかし最近、問題が出ました。つまり私たちの職業校は新しい敷地に移しましたので、そこまでこの発電機は届かなくなってしまいました。これは私が頂きましたから失礼と持ってゆくわけには行きません。そうしますと、小学校、中学、高校、修道院から教員住宅まで電気なしになってしまいます。センターはいろいろと電気が必要です。どこからか発電機をいただけるよう、神様に信頼しながらいろいろとあたっています。お祈りくださいませ。
 8月にナイジェリアから新しくシスターが加わりますので、私はこの機会を利用して、日本に身体検査のため10月から2ヵ月の予定でもどります。聖母病院にもでかけますので、事務所にお寄りしようと思っています。楽しみにしています。それでは又皆様によろしく。
2004年07月24日