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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

宣教者の声

ソロモンからのお便り

サレジオ会 飯田 徹神父
 + 主の平和と善
 主の御復活おめでとう御座います。
 キリストの復活の力が私達の心の中に深くしみとおり、世界平和の原動力と成りますように。
 復活祭を迎え、日本はよい季節と思います。此方ソロモンは雨季が明けたと思った途端、今度はサイクロンが南の海上に発生し、土砂降りの攻撃を受け、ただでさえ酷い各部落への道が余計酷くなり、参っています。それだけでなく、首都ホニアラのメインストリートですら舗装が壊れ、大小のクレーターが出現しました。ソロモン国家にもホニアラ市にも道路補修の予算は無く、見かねる諸外国、或は篤志家の援助待ちです。
 篤志家の一人に、日本でも新聞に取り上げられたので、ご存知かも知れません、Y.サトーこと、佐藤行雄氏が居ます。佐藤氏は縁あってソロモンに来られ、ソロモンの女性と結婚し、ソロモンで手広く商売をしておられ、其の利益を何時も匿名でソロモンのために還元しています。そして一昨年にはソロモンの国会議員に選出され、陰にそして陽にソロモンのために働いておられます。
 今回も「ソロモンに目を向けてください」を送りますので宜しくお願い致します。

「ソロモンにも目を向けてください」

 以前にもお知らせしたと思いますが、ソロモンの宗教状況は表面上、90%以上95%くらいがキリスト教徒といわれています。其の内訳は60%強がイギリスの統治時代の影響でアングリカンチャーチ、20%前後がカトリック、それ以外が諸派プロテスタントと言われています。しかし先祖伝来の土着宗教を色濃く残しています。
 普段は土着宗教、或は呪いの類に走ることは無いのですが、人が老齢や事故等で死を迎える以外に、重病で死に面した時、その家族や親類縁者は呪いに走ります。
 以前、救急車の運転士もやらねば成らないことはお知らせしました。そのため、各部落からテテレ教会に隣接するクリニック(地域医療センター)へ病人を運んだり、クリニックで手に負えない病人をホニアラのセントラルホスピタル・中央病院へ運んだりしています。そして近代医療(セントラルホスピタル・中央病院)に見放されると、上記のように、呪いに走ることがあります。
 ソロモンにはカスタム・ドクター呼ばれる先祖伝来の呪い医師が居て、民間治療を施しています。しかし、全くの呪いだけでなく、長い生活経験から生み出され、或は発見された治療薬(漢方薬に類似?)を用いての施療で、効を奏することも有ります。
 死を迎えた人が周囲の人々に愛された人であれば在る程、周囲の人々は何とかその人を救おうとして呪いに走る傾向が有ります。それでカスタムドクターを呼ぶわけですが、日本のようにタクシーやハイヤーがあるわけで無し、カスタムドクターをお迎えするために、「ファザー車を出してくれないか」と言う訳です。カトリックの司祭である私としては甚だ不本意なのですが、愛する人を思う人々の心を思う時、むげに断ることもできず、タクシーの運転士となります。
 テテレ地区では、テテレ教会から5kmくらい離れたテテレビーチにカスタムドクターが住んでおり、其処へ迎えに行き、病人の元へ送り届けます。カスタムドクターと言っても異形の人でも、異形の扮装でもなく、ごく普通の服装をし、普通の人で、カスタムドクターであることを表す杖を持っているだけです。
 そのようなことが何回か重なり、私はカスタムドクターと顔馴染になり、言葉を交わすようになりました。それで分かったことは、彼は先祖代々でカスタムドクターになってはいるが、実は在るプロテスタントの信者であり、彼の持つ薬草や治療に関する知識が役立つこともあり、愛する人を失う人々の心を少しでも慰められればと、カスタムドクターをしているとのこと。
 以前お知らせしたようにソロモンは飢えの無い国で、彼は生活のためにカスタムドクターをしているわけではなく、彼の善意からしているようです。実際、話をして見ると、カスタムドクターにはソロモンの人々の平均レベル以上の教養が感じられ、近代医療に関する知識もあり、彼の施療の一部にはクリニック或はホスピタルへ行くように命じることもあるそうです。
 そして不幸にして、カスタムドクターの努力の甲斐も虚しく、亡くなった時、葬式は亡くなった人の属していたキリスト教葬と言う「落ち」が付きます。
2004年04月12日




チャドからのお便り(ンジャメナにて)

幼きイエズス修道会 シスター 有薗 順子
 ご復活大祝日おめでとうございます。
 よみがえられた主の光が「会」の皆様を常に照らし、導いてくださいますよう、心からお祈りしております。何時も「きずな」をご送付くださいまして、ありがとうございます。それにもかかわらず、失礼ばかりして、申し訳ありません。今日は少々こちらのニュースをお知らせしたいと思います。
 現在こちらは猛暑、室内で40°〜43°という暑さ、首都とは云え、日中は停電、断水で夜は早く就寝、朝は早起きしますので、健康には最適。お陰様で病気一つせず、水をのみのみ、過ごしております。(電気は0時から5時半頃まで送電、その他は必要に応じて自家発電を使用しています。)
 今年も2月22日スカウト創立者の祝日には、小学校に12小教区から1,000名近くが集い、キャンプをしました。この日何人かの代表者は自分たちで手続きをして、婦女子の拘置所を訪問しました。
 ご復活前夜祭は私たちの教会で90名、隣の小教区では160名もの受洗者がありました。式は延々と4時間も続き、白衣をまとい、ランプを手にした受洗者たちは輝いていました。
 一方、スーダンとチャド、中央アフリカとチャドの国境には、それぞれ150万人位の難民が滞在していて、最近やっとカリタスや他の援助団体が動き出しました。その他、シエラレオネやリベリア、ウガンダなどから私たちの所に援助を求める人が絶えません。戦争が続く限り、難民は増える一方ですよね。世界に一日も早く平和と正義が訪れますようにと、どれ程多くの人が願っていることでしょうね…。
 私たちの修道会にはライ支部にシスター泉よしみが2003年9月に、ンジャメナ支部にシスター日置まりえが2004年2月に派遣されて来ました。暑さにも負けず、フウフウ云いながらも元気にしております。
 どうぞ皆様もお元気でいてください。お祈りと感謝をこめて。
2004年04月14日




ブラジルからのお便り(イタポラにて)

フランシスコ会司祭 小川 満
 主は復活し活きておられる。アレルヤ!
 その後、いかがお過ごしでしょうか。よいご復活を迎えられたことと思い、お慶び申し上げます。
 私は、日本での3ヶ月の充電を終え、3月27日、無事にブラジルに着きました。サンパウロ空港でほ連邦警察のストのため、税関の手続きに3時間半も長蛇の列にならばなければならず、そのため予約の国内航空便に乗り遅れ、手配してくれた代替えの航空便は他の飛行場から出るために、タクシーを拾って1時間半かけて市内を移動。大きな旅行カバン2つ、大きなリュックサックを肩に背負い、35℃にもなる気温の中、おおあわてのドタバタでした。でも結局は12時間以上遅れで、無事に家に着きました。
 ブラジル流に言えば、これも全部「神様のおかげさまで」うまく行ったことになるのでしょう。私も本当にそう思えるようになりました。
 帰伯した私を待っていたのは、同僚のブラジル人神父の異動でした。発令は1ヶ月以上も前に出されたとあって、私の帰るのを待っていたかのようにあたふたと出て行きました。 そのため、こちらは、聖週間・ご復活と目の廻る忙しさでした。これでここの教会は、今年89歳になるドイツ人神父と日本人の私二人になりました。司祭の召命の多いブラジルではありますが、働く場所が多いので、働き人が少なく思えます。
 5月は教会の大フェスタ(バザー)があり、5月・6月にかけて一部の共同体では初聖体が予定されてあり、その準備(洗礼や両親の結婚、告白の秘蹟)が始まり、忙しくなっています。
どうぞ皆さまのお祈りの片すみに私のことも思い出し置きください。
2004年04月15日




パラグアイからのお便り(エンカルナシオンにて)

聖霊奉侍布教修道女会 シスター 林 静子
 主の平安
 海外宣教者を支援する会の皆様
 ご復活おめでとうございます。お変わりございませんか、お伺い申し上げます。先日は「きずな」86号をお送り下さいまして、嬉しく拝見いたしました。「きずな」を通して海外に新しく派遣される方たちや派遣先の名前も分かり、たのもしく感じます。
 また、それぞれの布教地で苦労して働いていらっしゃる布教者の方たちの生の体験談を読まして頂き、大いに励まされます。
 日本国内で物心両面の陰の援助を静かに行われる方たちのことを思いますと、カトリックの有り難さを痛感いたします。
 パラグアイでは秋で大豆の収穫も70%すみました。今年は1月・2月の旱魃の影響で、採り入れは平均作を少し下回る状態ですが、天災がなくて助かりました。
 今年になってコロニアの日本人の方が2人お亡くなりになりました。一人は前からの信者さん、もう一人佐藤さんとおっしゃる70歳になったばかりの方は、入院中に洗礼を望まれ、ホワキン神父様、シスター・チタ、それに私も呼ばれ、息子さん、お嫁さん、お孫さんたち大勢の立ち会いの下に洗礼を受けられました。そして、その後1週間位して安らかに息を引き取られました。入植50年近くになりますと、一世の日本人は次々と他界されます。
 今年枝の主日に、聖霊会の一人のシスター(54歳のパラグアイ人)のお葬式、またフラムのコロニアでは日本で亡くなった方の納骨式がございました。義理のお姉様がご遺骨を飛行機で運んで下さいました。聖週間の最初の日にこのような出来事がありますと、神様にお祈りを心をこめて捧げるよいチャンスになります。
 聖霊のおんいつくしみによりて。さようなら。
2004年04月16日