『生かされて』信徒宣教者 大橋美智子
カトリック一般信徒宣教者としてペルーの兄弟たちに出会い、それは、又、日本の兄弟たち、世界の兄弟たちとの出会いとなった。 ペルーについた当初は言葉も何も知らなかった。辛くなるといつでも帰れるようにトランク一個をベッドの脇に用意していた。そんな中でペルーの人はもとより世界の国々からの神父、シスターたちに教えられ助けられた。又、信徒たち、キリスト教以外の友人たちにも励まされた。 社会的に貧しい者として忘れられ社会の隅で必死に生きている人々との間に助け合いを通して友情が芽生えていった。 日々の糧に事欠く人々がほとんどという地区では教育全般、仕事作りのための技術指導など助けの手を必要としている場は数限りなくある。一大貧困地帯の一つであるカラバイヨ市の唯一の職業訓練校誕生に最初に手を差し伸べたのは日本の兄弟達の支援であった。現在は多くの老若男女が腕に職をつけんと、生き生きと勉強している。又、90年代初期のテロ、インフレによる国内経済大混乱の極みに、飢えをしのぐ為に沢山組織された共同台所にも日本の兄弟たちの支援は大きかった。私はただその架け橋をさせて頂いたにすぎない。 先日、その共同台所の一つが6年目の記念を祝った。そのグループの婦人の言葉「最初は飢えをしのぐために共同台所に集まった。そのうちに自分たちよりもっと助けを必要としている人々が周りにいることに気づいた。その人々との助け合いを通して共に生きる喜びの心を知った。そして皆と一緒に祈ることを学んだことはとても大きい。何故なら今まで胃を満たす食事のパンに一生懸命だったが、今や神のみことばのパンに飢えているから。私たちはそのみことばのパンを持って、私たちより苦しんでいる人々の所へ出かけて行かねばならないことを学んだから……」ペルーの兄弟たちの分かち合いの言葉を持って、久しぶりに日本の土を踏んだ。そして、日本の兄弟たちの、友達ができにくい、希望が見えにくい、愛を感じにくい社会のしがらみの中での苦悩を分かち合うこともできた。互いに教え、教えられ、小さくてもすこしづつでも共に達成し、学ぶ喜びの心によってよく″生きていこうとする創造行為に助け、助けられながら、いつの間にか、キリストの兄弟としての強い絆に結ばれ育てられていることに感謝。 『第58回役員会報告』「会」の第58回役員会が、九六年九月二五日(水)午後六時から、東京・江東区潮見の中央協議会会議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
『援助決定』(′96.9.25決定分)
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