『ザ・メッセージ』(海外短信)
『ECHO』(東京・高田佳子)
(埼玉・坂戸市 村上和子)
(岡山・瀬戸町 斎藤武信)
(鹿児島・市村和子)
(福岡・飯塚市 衛藤文徳)
(函館市・天使の聖母トラビスチヌ修道院)
(東京・荒川ひろみ)
(鹿児島・名瀬市ショファイユの幼きイエズス修道会 西仲勝修道院)
(熊本市・奥村フサエ)
『心は燃えていた』神言会 菊地功神父
日本から海外に派遣されて行く宣教者の数は、喜ばしい事に着実な増加の傾向を見せていますが、同時に長年の海外宣教生活を終えて日本へ帰国される「帰国宣教者」の増加も見逃せません。何らかの形で海外生活を経験された方、覚えておいでになりますか。それぞれユニークな経験ではありましょうが、いわゆるカルチャーショックと対時する苦しみと書びを。
宣教者の場合は、それぞれの国の文化の養いもさることながら、「普遍的」であるはずのカトリック教会に、そしてキリスト者の生き方に、それぞれの国で大きな違いがあることで、目を回しそうになった経験があるものです。そしてそこから見えて来たのが、自分が生を受け育まれてきた祖国における教会の姿だったことでしょう。日本へ帰国してきた宣教者の多くは、宣教地での貴重な経験を胸に秘め、それを通して培った日本の教会への「一言」を持っておられるものです。ところがいざ帰国してみると、めまぐるしく前進を続ける日本社会に飲み込まれてしまい、そんな経験があったことさえ忘れてしまいます。共同体で話してみても、何かしっくりしない、誰も興味を持ってくれない。そんな思いでいるところに帰国宣教者仲間とでも出会えば、「昔話」に思わず花が咲きます。「ああ、昔はよかった」と。でも昔話は前進をもたらしません。帰国宣教者のこの貴重な体験と展望を、地中に埋もれた宝と考え、それを掘り起こし、日本の教会の宣教のために役立てて頂きたい。これから海外宣教へ出かける人のためにも、また日本における宣教のためにも。そんな思いを形にした第一歩が、今回開催された「帰国宣教者の集い」です。 第一回目の今回は、小金井市にある聖霊全然想の家で、15名の帰国宣教者の参加を頂き、6月10、11日に「宣教体験を通して、これからの宣教のあり方を考える」をテーマに行われました。参加15名がかつて働いていた国は、南米・アフリカ・ヨーロッパ・アジアとはば全世界13カ国に及びます。 開催前にはどんな会合になることか皆目見当がつかず、不安な幕開けとなりましたが、いざ始まれば参加者全員がそれぞれの宣教地での「変えられた私・新しくされた私・豊かにされた私」の経験を分かち合い、第一日は夜遅くまで語り合いが続きました。 翌二日目は、朝のミサでそれぞれ派遣されていた国での聖歌を披露し、久しぶりに聖堂を歩き回って握手をしたり肩をたたきあっての平和の挨拶を交わし、心の余裕を持って始まりました。そしてまた時間を惜しんでの分かち合い。お互いの話に耳を傾けているとき、エンマウスの弟子のような気分に浸ることが出来ました。イエスの語られる言葉に耳を傾けて弟子の心が燃え立ったように、私たちもお互いの宣教経験に耳を傾けるうちに、かつて海外で心を燃え立たせていた自分を思い起こしたのです。「ああ、あの時私たちの心は燃えていたではないか。」短い二日間の会合ですし、実際の帰国宣教者の方々の数に比べてかなり小規模な集まりでしたので、大げさな提言のようなものを出すことは出来ません。しかしこれからもこのような形の集いを、出来れば各地で開催し、数多くの帰国宣教者の持つ埋もれた宝を発掘し、それを広く皆様に分かち合うことを通して、将来の日本の教会の宣教へ責献することが出来ればと考えています。現在海外におられる宣教者の皆様も、ご帰国の折には是非ご参加下さい。 連絡先国際協力委員会・海外宣教部門 「海外宣教を考える会」シスター守山あて
『日本に於ける外国人の医療事情特に出産事情』聖母病院産婦人科 大森茂
私事ですが、聖母病院産婦人科に勤務して、はや三十年が経ちました。この間、毎年、二、三〇〇から二、五〇〇件の生命の誕生に関わって来ました。国際聖母病院の名の通り、外国人患者が多く、年々、増加の一途を辿っています。因みに、一九九四年の出産数は二、三一八件で、その中、外国人の出産が一六一一件と七%を占めています。国別では、アメリカが最も多く、続いてヨーロッパ全体の五九件、その他韓国、中国など四二カ国に及んでいます。
まず、外国人患者が皆困るのは、言葉の問題です。幸い、聖母病院には、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語等の通訳の出来るシスター方が居て、診療の場まで同行して診療内容の説明をし、国際聖母病院としての責務を果たしています。 もう一つ困るのが、医療費の問題です。日本の医療費は、今や、世界一高いと言われています。先進国の方々は自国の保険や、母国からの何らかの保証がある場合が多いが、アジアや発展途上国の人達は、日本の高額な医療費は、とても支払うことが出来ません。 そこで、聖母病院医療相談室では、昭和六二年から「入院助産制度」を始めました。当初はこの制度を利用する外国人の割合が一割程度でしたが、現在では、この制度が知れ渡ったせいか八割近くが、外国人患者で占められるようになりました。中でも韓国と中国の人達が圧倒的に多く、これまた八割を占めています。 これからも、入院助産制度の趣旨をよく理解してもらって、外国人のための一助となれば幸いと思います。 また、一番困るのが、超過滞在者の医療費の問題です。東京都は、平成四年に「行旅病人及び行旅死亡人取扱い法」を復活して、行旅法による救護を再開しました。外国人が救急搬送で入院した場合、医療機関は入院分の医療費を、東京都に請求することが出来ますが、その適用条件として「住所不定・無職」でなければならないとされています。このように外国人の医療問題は、一つの医療機関だけでは解決できない国政レベルの問題であるといえます。 『講演会のお知らせ』日時 十月二十一日(土) 午後一時三十分〜四時場所 「雙葉同窓会館」2階(1R、地下鉄(丸の内線)四谷駅下車。麹町口に出て、雙葉学園と主婦会館の間の道を約50m右側) テーマ 『遣わされた者の声』〜宣教者の報告〜 講演者 「ルワンダから」神言会 菊地功神父、「シ工ラ・レオーネから」御聖体の宣教クララ修道会Sr鶴田順子 ※アフリカ・シュラ・レオーネ、ルワンダ、ガーナなどの現地の生々しい実情と宣教活動についてお二人に伺います。多数のご参加を!! 問合せ先=03−5632−4442 日本カトリック移住協議会 海外宣教者を支援する会 『会員数』(個人・法人・賛助)計二、〇九二『海外派遣宣教者紹介』聖心侍女会 栄田妙子 〜ブラジルへ〜 礼拝会 川俣恭子 〜ボリビアへ〜 |