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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES







『きずな″の配達人たち』

海外宣教者を支援する会 樋口 百合子
 緑の多い瀬田の高台にある修道院から、珍しく賑やかな声が聞こえて来ます。丁度その日は「きずな」の発送作業の意中なのです。
 会が発足して十一年目に入りましたが、その間、年四回「きずな」は、世界中で働いておられる宣教者からの生の声や、国内会員のお便りを載せて、休まず発行されています。毎回、約三千部が海外と国内会員、全国の教会、修道院、幼稚園から大学まで送られていることは、ご存知でしょうか? 思えば十年前、会が出来て、四谷の会議室で第一号の「きずな」の発送が始まった頃は、どうしてもl一日がかりで、みんな、後で肩や脱が痛かったと話し合ったものでした。今はメンバーも総勢二十余名、年齢もさまざまです。「世界に生きる」を読んだ主婦の方々が、「こんなに沢山の人達が、世界の各地で働いて下さるのに、私達も何かお手伝い出来たら」と集まって下さいました。
 子供同士のPTAのお仲間や会員の姉妹、同級生、友人等、教会が初めての方も居られます。また「小さなマザーテレサたち」を読んで、「何か手伝いたい」とかけつけて下さる方もあり、帰国中のシスターと一緒に、現地の様子を聞きながら、手を動かした日もありました。
 ここで、ある日の作業の様子を紹介しましょう。朝十時、約三千部の「きずな」が、机のあちこちにうず高く積まれ、かまぼこの板を使って三つ折にする作業が始まります。折ったのが山になり、机を囲む相手が見えなくなる頃が、経験からの、折る量の目安です。
一緒に広げるお弁当と、食後の一時のお喋りで、疲れも忘れ、また、午後の作業が続けられます。折ったのを封筒に入れ、封をして、数を数えれば出来上がり。今では一日で、午後四時頃には完了し、郵便局へ運びます。
 折々のメンバーの声を少し拾ってみました。「手を動かしながらのお喋りが楽しく、何気ない話題から数えられ、三カ月毎の「きずなの日」を楽しみにしている」「お仲間に入って、初めてキリスト教やカトリックを知り、教会や修道院がこんなに沢山あるのでびっくりした。」「遠い不便な国で、人々と共に生きている方々を通して現地の様子がわかり、今までの、余りにも無駄の多い生活に気付かせて頂いた。」「きずな」のご縁で多くの方々、また、海外で働いているシスター方にお会い出来て、嬉しく思っている。」「この作業を通して、十年間に、宣教者をはじめ、沢山の方々とお知り合いになれたこと、そして、互いに連帯感が生まれたことは、神様の大きな恵みと感謝の気持ちで一杯。」等々……。こうしてお互いが親しくなり、三カ月に一度集まるのを楽しみに十年が過ぎましたが、今振り返ってみると、縁の下の力持ちともいえるこの方々のおかげで、今日まで続けることが出来たのだと、改めて、感謝と深い感慨を覚えます。また、会員を通じて、この会を知った日本の一企業から、ピカピカの新しい童話全集が大量に寄付され、海外の多くの子供たちに送ることが出来たり、おやつを我慢し、お小遣いを貯めて送って来る子供達、結婚記念日ごとに、自分達のことよりと送金して下さる方など、この「きずな」が、沢山の、思いもかけない出会いのかけ橋になっていることを、折にふれて感じるこの頃です。
 場所は四谷から修道院をお借りして移りましたが、いつも善意の多くの方々に支えられ、修道院の皆様の暖かいご好意に甘えて、三カ月毎にめぐって来る「きずなの日」は、きっとこれからも、何も心配せずに、ずっと続いていくことでしょう。
 十一年目の感謝をこめて……。











『第45回役員会報告』

 「会」の第45回役員会が93年6月18日(金)午後6時から千代田区六番町のグロリアホール地下会議室で開かれ、次の案件を審議、決定した。
 議事に先立って、会長X・ローシャイター神父より、今回、カトリック国際協力委員会秘書を任期満了に伴って退き、カトリック移住協議会の専務理事も梶川宏神父が就任するので、この会の会長を決めてほしいとの発言があった。しかし、会長は、そのまま留任してはしいとの意見が出され、全員一致で、ローシャイタ神父に会長をそのまま続けて頂くことになった。
1、きずな″43号について
 シスター大垣の巻頭言はすばらしい文で、カットせずそのままのせた。また、アニメの絵本を送ったのに対し、ブラジルの幼稚園児からの手紙が純粋で感動的だったとの感想が述べられた。
2、きずな″44号について
 9月1日発行予定。原稿締切り8月10日。巻頭言は、きずな”の発送作業をボランティアでしている人々を国内、海外に紹介したらとの提案を採択した。
3、援助審議(別項)
4、1992年度決算報告(別項)
5、1993年度予算審議
6、その他
 次回役員会は、江東区潮見の新しい日本カトリック会館会議室で、9月22日午後6時から開催。






『援助決定』

 ('93.6.18決定分)
地区援助要請者援助内容金額摘要
ボリビアSr山田(宮崎カリタス修道女会)宣教用車のガソリン代オイル、部品代246,400円
ボリビア宮園春見ボリビア・サンファン移住地での鍼灸治療のための鍼灸師資格取得のための学費、生活費の一部1,200,000円2年分のうち1年分
ブラジル箕浦まさ(タピライ・カテキスタ)日本語学校教材製作用コピー機・付属品500,000円
韓国Sr林(御聖体の宣教クララ修道会)宣教用建物、敷地確保のための援助金。1□50,000円×10口50,000円
計 1,996,400円






『1992年度決算報告』

 ('93.6.18承認)
(単位:円)
収入の部 
項目金額
会員寄附金13,506,500
預け金利子546,717
前年度繰越金9,134,150
合計23,187,367

支出の部
項目金額
援助金14,330,541
運営経費2,443,275
援助金積立1,00,000
次期繰越金5,413,551
合計23,187,367