『ともに世界に生きたい』海外宣教者を支援する会 樋口百合子
ある日、梶川神父様を囲んで、子供が同じ学校に通うお母さん方や、近所の方が集まっていました。
それより先、神父様から「世界に生きる″という、宣教者の手紙を集めた本が出たので、大勢の人に読んで欲しい」とのことで、そこで紹介することになりました。 沢山の宣教者が日本から出て、不自由な僻地で、気候、風土、習慣の違い等多くの困難も当然のように、生き生きと働かれている様子が、行間から伝わって来ました。今まで私達は、このような方々が居られることも知らず、物の豊かさに慣れて、安閑と自分と回りの幸せだけを考え、それに何の疑問も持たず過していました。 この本が出て、多くの人力から、大きな驚きと同時に、日本に居る我々にも、何かお手伝い出来ることはないだろうか、こんな申し出バか寄せられました。また、日本人に、この曽且教・者の姿を伝え、継続して物心両面で応援する会があったら…との要望もあって、昭和57年、海外宣教者を支援する会は誕生しました。 それから五年、年毎に会員も増え、広報誌「きずな」は19号になります。きずな″によって、その名の通り、宣教者を通して世界の隅々の人々と、国内会員のきずな≠ヘ強められ、支援の輪も広がっています。地方の、名前も顔も知らない方が、アルバイト料やお小遣いの一部を送って下さったり、教会のバザ1、学園祭等で、この会のコーナ1を出して下さることもあります。手伝いを申し出て下さった主婦の方々も、きずな″の発送、援助物資の荷造り等、隠れた橡の下の仕事を今もコツコツ続けていて下さいます。 このように、会は多くの善意に支えられ、活動を続けて来ましたが、一方、宣教者の体験談からむしろ、沢山のものを頂いています。旧例えば、私達は豊かさに慣れて、物さえあれば…と思いがちですが(勿論、物は大切ですが)、物が少なくても心の豊かさ、幸せがあること、宣教者が習慣、言葉等の違いから何も出来ず、病気になって自分が無になった時、初めて土地の人々と一つ心で、共通の場に生きるようになったと伺い、自分が持っているもので、何かしてあげようとする。上からの姿勢で、どうしても私の目の高さで、人も物も見てしまうことなど気付かせて頂きました。 今、会の足跡を振り返って、人と人との出会いのすばらしさを体験させて頂いたことに感謝すると共に、これからも、この宣教者の……方々を通して、私達も同じ心で、世界に生きたいと思います。 そのための道をご一緒に、一歩、一歩、地道に歩きつづけて行きたいと願っています。 『第二十回役員会報告』第二十回役員会が、昭和六十二年四月三日(金)午後六時から中央協議会々議室で開かれ、次の案件について審議、決定した。
『援助内容』(1987.4.3理事会決定分)援助地 援助対象者 援助内容 援助額 備考 ベレン(ブラジル) 松本稔 やさしい要理問答20冊ほか要理典礼に関するもの計4冊(送料とも) 16,380円 ペルー、リマ 加藤神父 祈りの友20冊(送料とも) 30,700円 ガーナ 菊地功神父(神言会) 小型発電脚入代の一部 50,000円 インドネシア Sr浜谷真佐美(聖母カテキスタ会) 奨学金14名分 500,000円 パラグアイ Sr林静子(聖霊奉侍布教修道女会) 布教用中古車購入代の一部 1,000,000円 |