《巻頭言》 《出会いと分かち合いの宣教》 マリアの宣教者フランシスコ修道会 篠田文江
その昔、看護師修道女として「何ができるかしら?」という不安を抱きながらも、「貧しい人々のために何かお手伝いできれば」と考えて日本を出発しました。それから33年、アフリカのアルジェリアに住んでいます。そして3年前から国内で移動し、西南部の砂漠の中の小さな町に移りました。首都といくつかの中都市の続く北部とはまったく違い、別の国に来たように思われ、この国の大きさや豊かさ、難しさを感じています。病院の小児科で、また母子センターで妊産婦や乳幼児の検診をしながら、私は自分の体験や知識、技術だけで人々のために働くのではなく、そこで出会う人々に教えられながら、もっとも適した方法を探して一緒に働くときに、喜びと心の平和が保たれることを教えられました。私を囲む貧しい人々 ― 弱い立場の女性、生活にあえいでいる青年、学校に行けない子どもたち、家族から見放された娘さん、そして深い信仰を持つ医師、寛大な商人、これらの人々が私を導いてくださったのです。 本当に貧しい人々からは寛大に分かち合うことを教えられました。共に歩んだ日々はつらい日も慰め合って、励まし合う機会となり、40度をはるかに超える暑さも、雪の中の寒さも、やがて実りをもたらす大地への神からの恵みとなり、神への感謝となっていました。 そうした幸せな日々のあとに出会ったのが、恐ろしいテロ行為が続いた10年間でした。不安と恐怖の日々、外国人としてキリスト者としてとても緊張した毎日でした。“みことば”に支えられていることを痛感したときでもありました。その日の典礼のみことばが、私たちのために特別に書かれているように感じ、パンとみことばから、その日の力、勇気、知恵をいただいていることを実感しました。このつらい沈黙の次期を共に乗り越えてから、土地に人々からはさらに深く受け入れられて、家族の一員のように扱われています。 今、砂漠という新しい環境の中で、在宅身障児の訪問をしています。子どもの可能性に合わせて手仕事、絵画、粘土、算数、文字など楽しみながら教えていますが、彼らの鋭い感覚や純粋な直感とその反応に、びっくりさせられることもあり、私自身、神様と一対一で面接し、テストを受けているように感じることもたびたびです。また、長期間寝たきりの病人がいる家族や、3人の障害児を持つ家族、彼らの重荷、不安は大変なものでしょう。定期的に訪問して、病そのものを治すことはできなくても彼らと一緒にいること、見守ること、これも私の日常です。 この長い年月、神様は私のためにすばらしい土地ですばらしい人々との出会いを準備してくださいました。神様に祈り、業の偉大さを讃え感謝する心が宗教の壁を越え、信頼を持ち、喜びを分かち合っていく日々となりました。 あの果てしなく続く青空の下、黄金色の砂漠の生活に送られてくる「きずな」を読みながら、“世界中のそれぞれの場でよくやっている!”という語りかけに大いに励まされています。皆様のお祈りに支えられて、11月にまた遠い砂漠の人となります。 『第30回運営委員会議事録』日 時:2008年9月9日(火) 18:00〜19:40場 所:四谷SJハウス会議室 議 事 T.きずな104号について 1)前号の議事録の文章で、Sr.平間理子のお名前を順子と入力ミスがあり、担当者からお詫びと訂正があった。 2)紙面が明るく、読みやすくてよいという感想があった。 U.きずな105号について 1)巻頭言は一時帰国中のSr.篠田文江(マリアの宣教者フランシスコ修道会)にお願いする。 2)例年通りクリスマスメッセージを掲載する。 3)原稿の締め切りは11月10日、発行日は12月1日、発送作業は12月4日。 V.援助申請の審議 @チャドのギダリ診療所のSr.入江多嘉子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から、1.新しい病理顕微鏡の購入費として2,288ユーロ 2.コンピュータ1台導入費として 2,288ユーロの申請があり、2件の合計 4,576ユーロ(741,312円)の援助を決定した。 A チャド・ンジャメナのSr.有薗順子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から、チャドガールスカウト連盟本部の専任スタッフが、ンジャメナ教区内、14箇所で活動しているグループを指導するためのバイク、ヘルメット、ガソリン代とオイル代1年分、タイヤなど合計1,920ユーロ(311,040円)の申請があり、検討の結果援助を決定した。 B カンボジアのカンポート共同体のSr.橋本進子(ショファイユの幼きイエズス修道会)から、4つの村を週1回車で巡回しているが、そのガソリン代1年分として6,345ドルの申請があり、全額の援助を決定した。 C ボリビアのSr.川下ゆかり(宮崎カリタス修道女会)から、オガーファティマ乳児院の子どもたちの移動(通院、買い物、行事など)のためのワゴン車購入費として15,000ドルの申請があり、検討の結果、今回は半分の7,500ドルの援助を決めた。 D ボリビア・サンタクルスのFr.倉橋輝信(サレジオ会)から、エキペトロル教会のコピー機、ファックスが使用不可能になり、日本製のコピー機1,040ドル、ファックス208ドル 合計1,248ドルの申請があった。検討の結果援助を決定した。 W.その他 1)10月12日の小金井教会からのお誘いで、「ヨハネ祭バザー」に初めて出店、また、19日、練馬区の徳田教会のバサーにも出店の予定で、この会のPRにも努める。 2)信徒宣教者会の高橋真也氏がカンボジアから10月に一時帰国することになり、支援する会のために報告会をしてくださることになった。 3)会のクリスマスカードを作成するに当り、今回は波多野真理子委員にメッセージ文をお願いすることになった。また、例年通り宣教者へのクリスマスカードを手分けして送ることになった。 4)次回の委員会は、12月9日(火)、四谷のSJハウスで行なう予定。
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