《巻頭言》 《IMIN・100》でにぎわうブラジル 那覇教区司教 ベラルド・押川壽夫
《IMIN・100》でにぎわうブラジルブラジルは地理的には日本から一番遠い国。訪ねてみると、もう一つの日本を見ているように親近感を覚える国。ブラジルで日系人に囲まれていると、私たちより日本人らしい何かぬくもりを肌で感じる。ブラジルをはじめ、南米には100年前から移住した日本人が今は3世代、4世代を重ねてあらゆる分野で活躍している。 この度、わたしは日本司教団を代表して、日本人ブラジル移民100周年の記念公式行事参加のため渡伯して、約2週間日系人と100周年を祝ってきた。ブラジルでは、≪IMIN・100≫のロゴマークが空港や街のいたるところに見られ、その意気込みが感じられた。 日本司教団の代表としての私の務めは、移民記念日にあたる6月18日に,サンパウロの司教座聖堂での同大司教区との共同司式記念感謝ミサを、サンパウロ大司教区の枢機卿と捧げることだった。また同日、会場を別にして、行われた諸宗教者による記念行事で、日本司教団のメッセージを発表すること、この2つが主な行事と伺っていた。 ところが、サンパウロに着くなり、私のブラジル滞在期間にびっしりと行事が組まれていたのは思いがけない驚きであった。特に、日本人移住者が多いサンパウロをはじめ、モジダスクルゼス、スザナ、ロンドリーナ及びカンポグランデでの記念ミサと行事が盛大に行われた。この3大司教区では、大司教の温かい歓迎と、日本からの司教派遣に対する感謝とともに聖職者と信徒たちから大変喜ばれた。 ◇百周年記念感謝ミサ: サンパウロの司教座大聖堂は、地元財政関係者、在伯日本総領事、日系人企業関係者などの招待者と日系人信徒で埋まり、記念ミサがサンパウロの枢機卿と補佐司教たち、カンポグランデの補佐司教など6人の司教と、日系人司祭など20数名による共同司式ミサが、荘厳にとりおこなわれた。 最初に聖書の奉納がバチカン・日本・ブラジルの3国旗とともに入堂、各国旗の旗手は日系人が、「日本人ブラジル移民100周年記念」のロゴを染めぬいたお揃いのハッピを着て、祭壇前まで進んで国旗の奉納・掲揚を行い、その間、国旗と聖書を迎える聖歌がそれぞれの国民によびかける歌詩の斉唱とともに行われた。 また、≪ブラジル移民の父≫として慕われてきたドミンゴ・中村長八神父様の大きな写真を掲げた2人の日系人信徒による表敬・奉納。初期のブラジル入植地で日本人移民の司牧に生涯を捧げた中村神父様は、今、列福調査も最終段階に入っているとのことで、ブラジルでは絶大な尊敬をうけている。神父様の写真を会衆に高々と顕示している誇らしげな姿にも、それがよく示されていた。 信者たちは栄光唱やミサ曲の間、両手にブラジルと日の丸の旗を高く掲げて、喜びと賛美を体であらわして、ブラジル風の典礼を繰り広げ、荘厳さとお祝いが素直に表現されている感じだった。 ◇皆様への感謝: 訪問した各地の日本人シスターたちが活躍している施設では、この≪海外宣教者を支援する会≫の援助に対する感謝のことばをいただきましたので、この紙面でその旨、皆様にご報告いたます。 押川司教(当会顧問司教)は左から3人目、右から2人目が青木神父(日伯司牧協会会長) 『第29回運営委員会議事録』日 時:2008年6月17日(火) 18:00〜20:00場 所:四谷SJハウス会議室 出席者:Fr.V.ローシャイタ 井上 信一 長井 甫 牧野 ゆみ子 樋口 百合子 吉岡 道子 原 紀子 波多野 真理子 八幡 とも子 諏訪 なほみ 欠席者:Fr.中谷 功 Sr.斉藤 ハツエ Sr.片岡 玉江 井上 毬子 波多野 光雄 T.2007年度の活動報告〔会 議〕運営委員会開催 2007年6月19日、9月11日、12月11日、2008年3月11日 〔諸活動〕 ◎創立25周年記念行事◎ @ 9月1日、フランシスコ会聖堂で、ローシャイタ、中谷両神父の司式で「創立25周年記念ミサ」が執り行われた。運営委員、旧委員が出席し、創立以来の協力者と物故者への思いを新たにし、感謝の祈りを捧げた。 A「きずな」100号を25周年記念号とし、カラー印刷で発行した。 B 講演会開催:11月10日(土)に「25周年記念講演会」を、四谷のニコラ・バレ修道院のホールで行なった。 『信徒は神から派遣された宣教の責任がある』ヨゼフ・ピタウ大司教(イエズス会) 『一粒の麦が地に落ちて・・・』Sr.脇山ミキコ(ショファイユの幼きイエズス修道会) 『驚き、喜び、当たり前でないことの数々・・・』(Sr.鈴川 良(善きサマリア人修道会) ◎広報活動◎ @宣教地から活動のレポートと国内会員の声などを掲載した広報誌「きずな」を年4回(6、9、12、3月)発行し、国内会員と海外の宣教者に送付し、情報の共有と相互の交流の役目を果たしている。 Aホームページも各方面からアクセスされ、問い合わせもあり情報源として利用されている。 ◎援助活動◎ 世界各地の宣教者から申請のあった援助について、申請書類を基にして実績や内容について運営委員会で検討し、緊急性や必要性の高いものから援助を決定し、実行している。(P6参照) ◎その他◎ @会員数は、法人・団体会員:2,004件 個人会員:465名 賛助会員:65名 総計2,534 (2008年3月31日現在) A事務所への宣教者の訪問も多く、「きずな」を読み、他の宣教者の様子を知ることで励まされ、元気が出ると喜びの感想が寄せられている。 B宣教者と国内会員との相互交流のため、クリスマスカードの発送、手紙の交換も従来どおり行なった。 U.2007年度会計報告 2007.4.1〜2008.3.31
V.2008年度活動計画・予算の審議〔会議〕運営委員会を年4回開催予定(6、9、12月、09年3月)〔諸活動〕 ◎広報活動◎ @「きずな」年4回発行 3,800部 A ホームページの継続 B 講演会・勉強会:一時帰国中の宣教者、日本に帰国した宣教者に講師を依頼 C「海外宣教者名簿2009」の発行の準備 ◎援助活動◎ 申請に応じ運営委員会で検討の上、決定、実施する。 ◎その他◎ 会のPRもかねて、都内の教会のバザーなどへ出店させていただくなど、従来どおりの活動をする。 (6月1日:目黒教会 10月12日:ヨハネ祭(小金井市) 10月19日:徳田教会 など) 以上審議の結果、すべて承認された。 W.きずな104号について@当会の顧問司教である押川壽夫司教に巻頭言をお願いする。A原稿締め切りは8月10日、発行は9月1日、発送作業は9月4日(木)に行なう。 X.援助申請の審議@マダガスカルのSr.平間理子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)から、教育補助金として幼稚園30名、小学校35名、中学校35名、高校25名分、12,820ユーロの申請があったが、今回は高校生の1年分の2,800ユーロ(476,000円)を援助することに決定した。Aボリビアのサンファン移住地のSr.小濱静子(サレジアンシスターズ)から、移住地の日系人学校および近隣の僻地の学校(教会)訪問のときに必要な宗教教材を購入する費用として1,000ドルの申請があり、援助を決定した。 Bボリビアのサクラドコラソン村(2年続いて村全体が水害に見舞われた)のFr.西沢 学(サレジオ会)から、小さい村の40か所の教会、社会事業、司牧センター、学校、保健所などを廻るための交通費として2,000ドルの申請があり、援助を決定した。 Cチリのフレシア市のSr.伊藤 晶(聖霊会)から、貧しい家庭の子どもが多い私立の「けがれなきマリアの御心学園(園児から高校生980名が在籍)」で、特別教材としてコンピューター4台を購入するための費用3,000ユーロの申請があり、援助を決定した。 Dボリビアのサンタクルス市のSr.斉藤クニ子(礼拝会)から、母子寮の高校生大学生5名の奨学資金6,000ドル(100ドル×5×12か月)の申請があり、援助を決定した。 EボリビアのSr.竹山敏枝(サレジアンシスターズ)から、浮浪児収容施設「カーザ・マイン」で、子どもたちの生活に欠かせない自家用車が整備不能な状態となった。購入価格30,000ドルの半分の15,000ドルの申請があったが、検討の結果、今回は半分だけの援助をすることになった。 Y.その他@牧野委員から、6月1日の目黒教会のバザーに出店し、45,250円の利益があったと報告があった。A次回の委員会は、9月9日(火)、四谷のSJハウスで行なう予定。 2007年度援助費一覧合計額:10,155,713円
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