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KIZUNA 日本カトリック海外宣教者を支援する会 JAPAN CATHOLIC ASSICIATION FOR AID TO OVERSEAS MISSIONARIES

きずな


《巻頭言》

『今の私は何でできている?』

日本カトリック信徒宣教者会(JLMM) 日笠山 万希子
    タイ北部地方にあるチェンマイ教区社会活動センターで、山岳地帯に住む少数民族(主に赤ラフ族)やタイ人と活動を共にさせてもらい、3年間という限られた時間の中でキリスト者として、日本人として、アジア人として、そして私自身として新しく生まれ変わる機会をいただき、心から感謝している。タイで生活するとそれぞれの持つ信仰が、生活の中に根付いていることを実感する。毎朝、通りで托鉢に出かける僧と喜捨を施す信徒、日々グーシャ(神)のために空間と時間を用意する赤ラフ族の人々。信仰に生きるということは信仰を持って日常生活を精一杯生き切ることなのだと深く学ばされた。
  ある日、東北タイ出身の若いシスターと話していたときのこと。親戚に殉教で命を絶たれた方がいると初めて聞き、そのとき私は殉教者と共に育った環境が、生涯イエスに尽くすことをシスターに決意させたのだと思わずにはいられなかった。その頃、偶然にも日本のあるシスターから「殉教者を想いともに祈る週間」という小冊子が届いた。小冊子を読み強く感じたことは、殉教者たちはそれまで彼らのために流されてきたイエスや他の殉牧者の血について、深く理解していたことである。それによって殉教者は自分の生き方を明確に見出していた。まさに殉教者たちの流した血によって今の日本の教会が存在し、今の私はイエスと殉教者たちが流した血よって生かされているように思う。
  私の殉教者への理解は、タイでの3年間の体験抜きにはあり得なかった。美しい文化を持つ生命力にあふれた赤ラフ族などの少数民族に助けてもらわなければ、3年もの間タイでの活動は遂行できなかったと感じる一方で、彼らを貧困に追い込む社会システムを、実は私たち(開発先進国)が作り上げてきたという事実を目の当たりにしたとき、開発とは「物がある所からない所に移動させる」単純移動ではなく、むしろ自分自身がどこに立ち、どうあるべきかを問い、自分自身こそ変わらなければ(心を神に向けなければ)ならないという現実を、受け入れることだと教わったと思う。
  また、戦争によってわたしたちの先祖は隣人たちを傷つけたが、私たちは今も生活を潤させるために、「経済」という武力によって社会環境を搾取し続けている。今の私は流された多くの血によってできている。殉教者は血の塩。新しい環境での生活が始まった今、私も社会の中で地の塩となって働くことができるよう、祈り求めて生きたいと思う。
   


『第28回運営委員会議事録』

日時:2008年3月11日(火)18:00〜19:45
場所:四谷SJハウス会議室
議事:議事に入る前に、帰天されたフランシスコ会の春山 勝美神父様、根本 昭雄神父様のため祈りを捧げた。

I.「きずな」102号について

1) 今号は巻頭言が大変長かったこと、お便りやカードをたくさんいただき、また、国内のお便りも多かったので、24ページになった。
2) 世界各地から届いたクリスマスカードやメッセージを例年のように集めて、カードの1ページを作った、と報告があった。

U.「きずな」102号について

1) 巻頭言は、日本カトリック信徒宣教者会から海外に派遣されている方にお願いすることになった。
 2) 原稿締め切りは5月10日、発行は6月1日、発送作業は6月5日(木)の予定。

V.援 助 審 議

1) ボリビア・サンタクルス市のSr.川下 ゆかり(宮崎カリタス修道女会)から、オガールファティマ乳幼児院で使用しているコンピューター2台が故障し、備品を換えたものの、どうにか機能しているという状態のため、新しいコンピューター導入の費用として1500ドルの申請があった。検討の結果、援助を決定した。
2) シエラレオネ・ルンサのSr.根岸 美智子(御聖体の宣教クララ会)から、今年度も発電機用の重油1年分の費用として30万円、およびマリアイネス職業センターと中学校の生徒のための緊急用医療費の10万円の申請があり、健闘の結果両方とも承認した。この発電機は当会で支援したものである。
3) パラグアイのピラポ移住地区のSr.林 静子(聖霊会)から、ピラポ聖霊小学校の教育費の補助として20万円の申請があり、承認した。申請書には教師数、生徒数など具体的なことがなかったので、再度問い合わせることになった。
4) マダガスカルのSr.平間 理子(マリアの宣教者フランシスコ修道会)から、聖アントニオ学校に通う貧しい家庭の生徒たち(125名)への奨学金1年分として12、820ユーロ(約265万円)の申請があった。検討の結果、今回は幼稚園生30名分、2,880ユーロ(約47万円)の援助を決定した。

W.その他


1)今年度は、6月1日の東京・目黒教会のバザーと、10月の東京・徳田教会のバザーに出店する予定。
2)2009年度発行の海外宣教者の名簿作成について、4月に小委員会を作って、進める予定。これまでもずっとお世話になったいたCTICの有川 憲治氏に中心になっていただく。
3)「きずな」創刊以来お世話になっていた「青鞜社」が、3月末で仕事をやめることになり、次号から別の印刷会社に頼むことになった。事務所整理に伴い、さまざまな用紙・封筒・文具用品など寄贈していただいた。これまで25年余りお世話になったことに心から感謝したい。
4)毎年四旬節に出されている小冊子、今年は「つなぐ」として発行され、当会にも50部届いているが、海外では余り必要でないことがわかり、帰国して事務所を訪ねた宣教者の皆さんに差し上げることにした。
5)後日追加事項:次の103号から「サンケイ総合印刷株式会社」江東区永代2-36-12 電話 03-3820-4531にお願いすることになった。
6)次会の運営委員会は6月17日(火)18:00から四ッ谷SJハウスで行う予定。




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