マリアの宣教者フランシスコ修道会 日本管区

神戸修道院

FMMが阪神地区で宣教を始めることになったのは、第二次大戦が終わり、復興が少しずつ進み出した1947年でした。夙川、神戸、六甲に小さな共同体を作り始め、その時代に最も必要とされていたミッション(教育、医療)を手がけました。その後、神戸の修道院は2回の引っ越しを経て、阪神淡路大震災の後、現在の中央区の共同体において、祈りと種々の幅広い働きを通して神の愛を伝えようとしています。次にその内容を紹介いたします。 

先ず、3年近く前に始めた「公開の聖体礼拝の集い」。わたしたちFMMの大切なカリスマの柱として「聖体礼拝」があります。私たちの主が見える形で現存して下さるのはミサとその延長線上にある聖体礼拝です。「第一の宣教者はご聖体の主」。創立当初から、毎日1人30分ずつ、全員交代で礼拝を続けてきました。大きな修道院では朝のミサ終了時から、夕方まで。また、月の第一木曜日には金曜日の朝のミサまで、一晩中聖体礼拝が続きました。修道院は私たちのミッションの場である学校や病院と地続きで、聖堂は日中であればいつでも、誰でも入ることができ、聖体訪問をしたり、シスターたちと一緒に聖体礼拝をすることができました。FMMの中には、聖体礼拝に心を惹かれてかれて入会を決意した人たちもたくさんいます。 

しかし、時代とともに修道院は大きな修道院から、少人数の共同体へと変化してきました。それに従って、聖堂は修道院の建物の中の小さな一部屋となり、誰でも、いつでも入れるところから、近づきがたい場所になってしまいました。 それで、私たちの一番良い場所である聖堂に人々をお招きして、一番素晴らしいカリスマである聖体礼拝をご一緒にしようと考えました。毎月第一の日曜日の午後23時と決めました。「招きのことば」「聖書朗読」(1回)、「聖歌」(4つ)、「共同祈願」「献灯」「礼拝」(沈黙)で構成される単純なものです。多くの人が御聖体のみもとに集って、静かに祈るのは本当に心が落ち着きますし、連帯感も強く感じられます。ほとんど毎月参加される方もありますが、なかなか時間の都合をつけるのが難しいと言いながら、それでもやめずに続けておられる方と色々ですが、毎月平均13・4名の方が参加して下さいます。集いのあと、玄関ロビーで、お茶を飲みながら歓談するのも楽しいひと時です。私たちにとっては毎日していることですが、外からも人々が参加して下さると、新しい力をいただけるので、私たち自身喜んでいます。

私たちの修道院の最年長者は今年91歳になりますが、元気で週に4回、老人ホームにボランティアに出かけています。朝食が済むとすぐ出かけ、隣接した病院の聖堂で祈り、そしてホームのお手伝いをして、午後ひと仕事をして戻ってきます。とても生き生きしています。
一番若いシスターは学校の非常勤講師として宗教を教えながら、多国籍の青少年の学習支援をしていますが、311後、しばしば被災地を訪問して、現地の方々と交流したり、子どもの学習支援をしたりしています。 

その間に16名のシスターたちがいます。それぞれに、大学や幼稚園で教えたり、病院の非常勤看護師、多国籍の人々の司牧や教会の社会活動センターでの奉仕活動、修道院で大人の方々を対象とした、聖書やカトリック要理のクラスをしたり、また院内で縫物などの仕事や、玄関の受付当番などなど、皆、体力体力に応じてできることを担当しながら共同生活をしています。中には「環境に優しくしたい!」とEMに力を入れて、ゴーヤを育て、シスターたちにゴーヤジュースを飲ませてくれるシスターもいます。

また、今年の3月には修道生活50周年(金祝)を祝ったシスターのために、修道院をあげて準備をしました。飾り付け、カナッペ作り、ケーキを作り・・・みんな得意なことで力を合わせてお祝いを盛り上げ、私たちは皆ハッピーでした。